「心地よい刺激と楽しい運動」が「子育て」6

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 運動で留意していただきたいのは、子どもという個を中心にまたたいせつにする運動だけが「脳の可塑性」を促進させます。団体やチーム運動には効果はありません。
 その子なりにできる運動が「心地よい刺激と楽しい運動」なのです。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。
幼児(4歳以上)からは「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて最新の脳科学の研究成果を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 6回目の「心地よい刺激と楽しい運動」を解説します。
 そして「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が「脳をつくる」を解説します。
 また、この脳をつくることが「子育て」になります。
 どれもこれも、その子のみの子育てにつながります。
 またその子の特性を理解しながら、子育てにつなげていくのです。

<運動は海馬を刺激する>

 筑波大学での研究では、ヨガや太極拳、スローランニングなど誰でもできる軽い運動を行うと、海馬が刺激され、記憶力が高まると報告しています。
 この研究では、健康な若齢成人を対象に、超低強度運動を10分間行った直後と安静後に記憶課題に取り組んだ際の脳の活動をfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)技術を駆使して高解像度で可視化し、比較と検討を行いました。
 その結果、超低強度運動が海馬を刺激し、歯状回を起点とする記憶回路や大脳皮質の一部の活動の増加が高まることで記憶能が高まることが確認されました。
 これは、高齢者など体力の脆弱な人々にとって朗報になります。
動物では、数週間の低強度運動トレーニングで歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、記憶能も向上することが確認されています。
 また、高強度でも間欠的に運動すると、海馬歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、空間記憶能が向上することが確認されています。

  とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。
 

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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