「心地よい刺激と楽しい運動」が「子育て」5

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 運動で留意していただきたいのは、子どもという個を中心にまたたいせつにする運動だけが「脳の可塑性」を促進させます。団体やチーム運動には効果はありません。
 その子なりにできる運動が「心地よい刺激と楽しい運動」なのです。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。
幼児(4歳以上)からは「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて最新の脳科学の研究成果を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 5回目の「心地よい刺激と楽しい運動」を解説します。
 そして「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が「脳をつくる」を解説します。
 また、この脳をつくることが「子育て」になります。
 どれもこれも、その子のみの子育てにつながります。
 またその子の特性を理解しながら、子育てにつなげていくのです。


「運動は記憶をつかさどる」「脳の海馬に影響をおよぼす」2

<運動と記憶>
 運動は記憶力や注意、判断力などの脳の機能に効果があるといわれますが、その理由として運動が記憶を司る脳の海馬に変化をもたらすことが明らかになってきました。
 海馬は、脳に入ってきた情報を記憶として残すのに適したかたちに書き換えるという、記憶で重要な役割を担っています。海馬は大脳辺縁系の一部で海馬に入った情報は、歯状回を起点とする記憶回路を通り(歯状回からCA3からCA1)、再び大脳皮質へ出力されます。この神経回路が動くと、情報が記憶として脳に保持するといわれます。
 また、成人の脳では新たな神経細胞(ニューロン)が生まれないと長年考えられてきましたが、1990年代に海馬歯状回で神経細胞が生まれることや歯状回で新たに生まれた神経細胞(ニューロン)が記憶に関わることなどが明らかになりました。
 さらに、動物実験では、運動すると歯状回で神経細胞(ニューロン)の新生を増強されることがわかり、運動と脳のかかわりについて盛んに研究されるようになりました。

  とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。
 

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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