子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を155

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説155

 その子の内側の体験の世界」第78回目を解説します。

 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
 その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
 親は、わが子が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
 これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
 もう一度、読み直しましょう。


「その子を見守る」10
 「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
 その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 なぜ、診断に不一致が起きるのか

 なぜ、診断に不一致が起きるのでしょうか。障害相互だけではなく定型発達との間でも切れ目のない連続性をもっています。こうした連続的な切れ目のない分布に、あえて人為的な境界線を引いて「アスペルガー症候群」「自閉症」「知的障害」「定型発達」等に切り分けるのが診断ですが、実際にはどちらともみえる、どちらともつかないケースがたくさん出てきて、たとえ操作的診断を用いてもやはり診断の不一致が起きます。
 診断の不一致が起きるもう一つの要因は、子どもは日々成長しています。まだ発達の道を歩んでいるのです。例えば、4歳の時A地点にいた太郎くんは、発達の道を歩んで、10歳の時にはA'のところまでたどり着いています。太郎くんなりにずいぶん成長してきたわけですが、他のみんなも発達しているため、10歳の分布の中では平均から水が開いて、4歳の時よりも重い診断名に変わることが予想されます。もう一人のB子さんは、4歳の時B地点にいましたが、10歳の時にはB’のところまでたどり着きました。B’地点までたどり着いたことにより、4歳の時よりも軽い診断名に変わることが予想されます。
 このように診断の時点によって、診断名は変わる可能性をもっています。前に診てもらった病院では「〇〇」だったのに、今度の病院では「△△」という不一致はまれではありません。厳密にいえば、発達期が過ぎるまでは確定診断はできないということです。この意味で、発達障害の「早期診断」やそれに基づく「診断の告知」には、極めて慎重に行うものであることが理解できます。

 とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 
 次回に続きます。
 

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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