子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を118

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説118

「その子の内側の体験の世界」第41回目を解説します。
 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。

 外側から「行動」と観察されるものは、本人の内側からすれば「体験」であり、私たちは「体験」の世界を生きているのです。
 つまり、子どもも同様であって、子どもを理解するとは、その体験を理解することなのです。
当然ながら、子育てをする親や保育者、学校の先生や塾関係者などは、乳幼児であれ、小学生であれ、中学生であれ、その子の内側の「体験」を理解して、子育てや学びをしていなければなりません。
 これは、今後の子育てや学びには、「その子らしさ」の基本的人権を保障し、尊重し、理解して子育てや学びに対応していることが求められます。
 また、「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解し、実践することが求められています。
 「その子の内側の体験の世界」を数回に分けて解説してきました。
 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 「その子を知る」は、前回までに解説しました。
次は、「その子にはたらきかける」です。
 親が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
 これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
 もう一度、読み直しましょう。

「その子にはたらきかける」1
 
 まどろみとほほえみ

 生まれたばかりの赤ちゃんにとって、外界は未知なものばかりです。
 未分化で感じた外界の刺激の感覚情報がわからないままの不安定な世界です。
 新生児は、生活時間の多くを「まどろん」で過ごすことで、過剰な刺激から生じる不安や混乱から護られています。
 その一方、未知ゆえに、外界を知っていくことが必要になってきます。
 この活動もすでに新生児から始まることになります。
 この活動は「探索活動(探索行動)」といいます。
 この時期は親も、「まどろみ」を妨げないようにできるだけ静かで穏やかで過剰な刺激のない環境にしようと努めます。
 その穏やかな「まどろみ」のなかで、新生児は「ほほえみ」の表情を浮かべるのです。
 これは睡眠中に起きる現象で、対人的な意味をもたない「生理的な微笑み」と考えられています。
 けれども、親はそんなことはどうでもよく、微笑は人間だけにみられる現象で、人間が社会的な対人交流を促すうえでとてもたいせつな役割を果たしています。
 実際に人の顔を見て微笑むようになるのは、3か月頃です。
 ただし、まだ特定の相手を意識しての微笑ではなく、顔という形への反応と考えられています。
 誰の顔に対してでも無差別に微笑みます。顔でなくても、円形の真ん中に黒い点が二つ並んでいる図形でも、赤ちゃんは微笑むことが実験で知られています。
 もちろん、親はそんなふうには考えません。
 つまり、自分への愛の表情ととらえて、微笑み返したり、抱っこしたりを繰り返します。
 その結果、数か月くらいから、親の顔を他の人の顔とは明らかに区別して、親へ向けての微笑が生まれてきます。

 とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。 

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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