子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を92

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説92

 その子の内側の体験の世界15

 「その子の内側の体験の世界」第15回目を解説します。
 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。

「その子を知る」14
○発達の原動力としての「均衡化」(ピアジェ)
 このように生物は、同化と調節とを車の両輪として、環境によりよく適応していきます。
 これが発達のプロセスです。
 そのためには、環境のあり方と自身のあり方との間に調和的な安定的なバランスを絶えず保たせようとする力がはたらき続ける必要があります。
 ピアジェは、この力のはたらきを「均衡化」と呼びました。
 同化と調節を推し進めるのは、この「均衡化」の力なのです。
 環境の中でより安定した生存へ向かわせる同化―調節のはたらき、すなわち均衡化が生物を発達(成長)させる原動力であるとピアジェは考えました。
 樹木でもミミズでもウサギでも、生物はすべてこの発達構造をもっています。
 ただし、それぞれの種ごとに与えられた条件があり、その条件に規定されたうえで同化と調節がなされるのです。

 とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。

 ※明日6日(土)及び明後日(7日)は、Jr-open開催のためにコラム掲載をお休みいたします。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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