子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を79

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説79

 その子の内側の体験の世界2

 「その子の内側の体験の世界」第2回目を解説します。
 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。

 その子を知る1
 その子が外から見たとき、いつも落ち着かず乱暴だというここと、その子の目には、外がどう映り何をどう感じているのかということは、むろん無関係ではないが別のことです。
 「多動で衝動的だから、ADHDです」とは、外からみたその子の行動の理解であって、その子自身の体験の理解ではありません。
 診断は「行動」からなされても、育児や保育はもちろんのこと教育者や各種指導者(以下、子どもに携わる方と述べます。)においてもその子の「体験」を理解しなければなりません。
 つまり、その子の診断はされたが、その子の体験のケアをどう育児・保育に教育に各塾に反映するのかが理解されていないのです。
 なぜなのでしょうか?
 それは、育児や保育はもちろんのこと教育など子どもに携わる方が、その子の外側から見た様子、つまり外側からとらえた「形」「型」「ふるまい」「考え方」など他のみんなと同じかどうかで判断し、それらと違う様子から「違い」を判断しているだけなのです。
 大方の人はなぜそう判断するのでしょうか。
 精神発達とは、一個の個体として生まれた子どもが、感覚を共有し、衝動を共有し、関心を共有し、ふるまいを共有し、認識を共有しというように、周りの人々との分かち合いを進めて、社会的・共同的な存在へと育っていく歩みなのです。
 つまり、発達の歩みとともに私たちの体験の仕方は基本的には「同じ」になっていきます。
 この「同じ」から外れた(disorder)「違い」だけで、その子を知ることにはなりません。
 この「同じ」から外れた(disorder)「違い」は、認識的にも関係的にも体験の共有に遅れをもつところに本質があります。
 そのため、様々な体験の仕方が、必ずしも共有的なもの(みんなと「同じ」もの)とはならず、個人ごとのオリジナル性が高くなります。
 そのため、定型的発達の人との違いは大きくなります。めいめいがとても個性的なのです。
 この「違い」のオリジナル性を理解すること、つまり知ることからその子の理解が始まります。
    
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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