「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える46
前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。
この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
この子育ては、胎児から始まります。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。
子育てにとても重要なことを述べました。
子育ての支援をもう一度掲載します。
次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか? 正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
「子育て」解説76
これからの子育て4
本日も、マイケル・ポプキンによるアクティブ・ペアレンティングから、これからの子育てについてご紹介します。
<子育ての目的> 私たちはどのような子どもを育てようとしているのか
では、子どもたちがもっとより良く生きることができて繁栄するためには、どのような資質が必要なのでしょうか。この問いへの答えは、私たちの子育ての目標を決めることになるのでしょう。
ある時、私はカウンセリングに来た父親に、「子どもに何を望みますか?」と尋ねたことがあります。すると、その父親はうつろな目で私を見ながら「盲目的な服従です」と答えたのです。もし、私たちが親に服従する子どもを育てたならばどうなるのでしょうか?そのような服従は、選択と議論に満ち、個人の責任とリーダーシップが尊重される現代社会において、自分の可能性を伸びやかに発揮するのに役立つでしょうか。明らかに答えは「ノー」です。
人間が社会の中で生き抜き、繁栄するためには、多くの特質があげられますが、その中でも特に次の三つが基本的だと考えます。
まず、第一に「勇気」です。
アルフレッド・アドラーは「もし子どもにたった一つだけ贈り物を与えることができるならば、私は「勇気を贈る」だろう」と言いました。「もし子どもが勇気を持っていたら、自分が学ぶ必要のあることすべてを学ぶことができるだろう」と考えたからです。勇気を育てられた子どもは、たとえ失敗をしても再三挑戦し、そしてやがては人生の様々な困難をも克服することができるようになるでしょう。しかし、勇気という資質を育てられていない子どもは、すぐあきらめてしまうか、やる気が起こらないかもしれません。そのうえ、失敗するのではないかという恐れと、恐れを強化する失敗がお決まりのパターンとなり、後悔と恨みの人生を送ることになるでしょう。勇気は子どもが自分のパーソナリティを築き上げる土台であり、人間の可能性の核心です。
第二の資質は「責任感」です。
ルドルフ・ドライカースは、アドラーが築いた基本理論を受け継ぎ、さらに発展させた心理学者ですが、個人の成長と生存のための責任感の重要性を強調しました。民主社会では人は自分で決断し、その選択の結果を受け入れなければなりません。子どもたちはこれから生きていく上で、何千という選択の中には、正に生死の問題もあるでしょう。麻薬の誘惑もあるかもしれません。他にも、タバコ、飲酒、性行為、犯罪、ドロップアウト、ついには生死の問題も・・・です。
親である私たちは、いつまでも子どもの側にいて、その都度、子どもにどうしたらいいのかを教えることはできません。子どもたちは自分でどのようにして才能を伸ばすか、どのようにして生計を立てるか、あるいはもっと理想的な社会を創造するには自分がどのような役に立つことができるか、あるいは、もっと理想的な社会を創造するには自分がどのような役に立つことができるかなど、自分で考え、選択しなければならないでしょう。親は子どもたちが責任ある決断ができるように準備し、その決断の背後にある勇気を子どもの中に育てるならば、子どもは困難な出来事にも立ち向かうことができるようになるのです。
第三の資質は「協力精神」です。
子どもたちに発達させてほしいと思う資質です。ある人々の間では「競争心が成功への道」と強調されていました。しかし、現実にはチームワークのマジックに気づいた人々が、この社会をリードしてきたのです。人生は依存でも孤立でもなく、お互いに助け合うものだということを子どもたちに教えることが、アクティブ・ペアレンティングの基本なのです。
平等な人びとの社会では、協力精神は大変価値があるものです。自分以外の仲間と協力できる子どもは、協力することを学んでいない子どもよりも、生き抜く力や能力を発揮する力はずっと強いのです。ですから、親子関係そのものが対立関係よりもむしろ協力関係であることが望ましいのです。しかし、子どもたちが協力するようになるためには、命令したり要求したりすることは有効ではありません。協力しようとする姿勢を育てなければならないのです。
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。
次回に続きます。



