子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を55

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説55

 アタッチメントで、親の安心が子に伝わる

 知らない人に出会った幼児が母親にしがみつく、母親の胸に顔をうずめる行動に、「何を怖がっているの」と突き放したり、叱ったりする親はいません。しがみついてきた幼児をしっかり抱いてやって「大丈夫、よそのおじさんよ」と、落ち着いた穏やかな態度で接します。
 こうしたかかわりは、その場でのわが子の不安をなだめるだけではなく、子どもの発達を支える大きな役割をもっているのです。
 親は、その「未知のひと」に対して、不安や警戒をしていません。幼児はただ抱かれて護られるだけではなく、親のその安心感を肌で取り込んで安心を得るのです。そこには、安心という「情動の共有」が生じています。
 その共有に護られて、幼児は未知の相手をそっと探索し始めます。母親の胸の隅から、チラチラ知らない人の様子をうかがいます。幼児は、その人の様子ばかりではなく、母親のその人に対する雰囲気にもアンテナを向けて、まもなく「安心らしい」と警戒が解ければ、その人への積極的な観察が始まります。相手もそれに気づいて接近的にそれに応じてくれます。ひとに対する探索活動がもたらす相互交流が生み出されます。
 この相互交流によって、その人は幼児にとって「未知」な存在から「既知」の存在へと移っていきます。
 こうして幼児は、「知っているひと、馴染んでいるひと」を増やして、社会的な対人関係の世界を広げていきます。
 安全感、安心感のもてない状況下では、「知らないもの」は不安や警戒をもたらすものになり、安全感、安心感がもてる状況下では逆に好奇心や探究心を引き出します。
 知らないものだらけの世界にいる幼児が能動的な探究活動を進めて、自分なりに世界を知っていけるのは、親を中心とする周りのおとなたちによって護られている安心があればこそなのです。

とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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