子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を53

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説53

 マザリングは、接近行動を引き起こす

 3か月頃には、首がすわります。首がすわると、赤ちゃんは観察したいものに自由に視線を向けて注視できるようになります。また、周りの世界を知るための活動つまり探索活動が自在になります。
 啼泣とそれに対するマザリングによって芽生えた能動性と安心感が、未知の外界への積極的な探索を支えています。
 乳幼児健診では、「首のすわり」が発達のチェックポイントのひとつにされています。周りに能動的に関心を向けて観察しようとする探索活動の遅れは、首のすわりを遅らせ、また、首のすわりの遅れは、能動的な探索活動を遅らせるため、遅れをチェックする目印になります。
 注意をひくものを見つめ、動くものを目で追い、音のする方に顔を向けるなど、乳児期の探索は、未知な外界の全てを知ろうとするかのように周りのあらゆる対象に、万遍なく向けられるところから始まります。周りの刺激を全てスキャンしています。
 
 この時期から、ケアをしている親を始めとした「ひと」が、とりわけ積極的な探索の対象となっていきます。ひとの顔や姿を注視し、ひとの動きを目で追い、観察を重ねます。同時に、自分の手をまじまじと見ながら、身体全体も熱心な探索の対象になっていきます。
 最初は、全ての対象に万遍なく向けられていた探索活動が、次第に「もの(物)」以上に「ひと(人間)」へと向かい始めます。生後4から5カ月以内に、「もの」への関心と「ひと」への関心とが分かれていきます。
 ものを対象にした探索は、一方的な観察なのに対して、ひとを対象とした探索は、観察対象の反応を引き出します。ほとんどの事物は注視してもそこにあるままですが、ひとは赤ちゃんが自分を注視していると気づけば、見つめ返したり、笑顔を見せたり、声をかけたり、近寄ったり、抱き上げたりという接近行動に引き寄せられます。ひとに対する探索活動は、観察対象の接近行動を引き寄せ起こすのです。
 この相違によって、「もの」と「ひと」とが分けられていき、その中でもとりわけ、いつもそばにあらわれて接近行動を示す「ひと(親)」は、他の対象とは明らかに違ったもの、特別なものとして認知されるようになります。
 一般に生後数か月になれば、はっきりとそのひと(親)を選んで笑顔を見せるようになります。

とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。
 ※明日(12日)と明後日(13日)は、Jr-openのためにコラム掲載をお休みいたします。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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