「主体的に学習に取り組む態度」は、評定の対象外に

吉田洋一

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テーマ:子どもたちへのエール

 令和7年7月5日の毎日新聞によりますと、

 文部科学省は4日、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会で、従来の成績評価の方法を見直し、評定を付ける際に「主体的に学習に取り組む態度」(主体的な態度)を考慮しないとする案を示しました。
 この評価方法は2020年度以降に導入されましたが、適切な評価が困難で教員の負担にもつながっているとの指摘があり、方針を転換することになりました。
 中教審はおよそ10年に1度の学習指導要領の改定に向けて議論しており、成績評価の方法も見直しの対象になった。
 現行の成績評価では「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的な態度」の3項目が評定を決めるための観点となっています。
 評定は小学校(3年以上)で1~3、中学校で1~5などの数字で示され、内申書に記載されます。
 文科省によると「主体的な態度」の具体的な評価基準は「粘り強さ」や「自己調整」の二つ。内容があいまいで、評価理由を保護者らに対して客観的に説明するためにノート提出の頻度や課題提出の締め切りを守れるかどうかなど形式的な「勤勉さ」の評価にとどまる事例もあったといいます。

 学習評価の変更イメージ
 このほか、適切に評価するために教員が評価材料を集める負担も大きかった。子どもの成長ぶりを適切に考慮して伝えることが困難で、学ぶ意欲を下げる場合もあるとされていました。
 こうした指摘を踏まえ、次期指導要領の実施に併せて評定は「知識・技能」「思考・判断・表現」の2項目を基に決めるとのことです。
 「主体的な態度」は「行動力・好奇心」「他者との対話や協働」といった要素に整理し直し、指導要領上の目標をどの程度達成したかを測る絶対評価は取りやめる。個人がどのように成長したかを評価する方法に変更し「総合所見」と呼ばれる欄に自由記述で記載する方針です。
 評定を付ける頻度も見直します。通知表などで子どもや保護者に評定を通知する回数は学校の裁量で決められるが、これまでは学期ごとに評定を付ける小中学校が全体の8割を占めていた。教員の労力を学習改善に向けてもらうため、今後は年度末にのみ評定を示すことが可能であると明示する方向です。
 この案に委員はおおむね賛同しました。一方で「(主体的な態度の)重要性が低くなったという印象を持たせないことが大事だ」といった意見や「知識・技能中心の(評価の)あり方に戻すと短絡的にとられないか。丁寧に議論しないと、詰め込み式の学力重視の評価に戻ってしまう恐れもある」といった懸念の声も上がったそうです。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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