中学校部活動、財源確保へ法整備 ~ 地域展開で超党派議連設立
神戸の地域クラブ活動「KOBE◆KATSU」 学区超えて自由に選択可能に
ラジオ関西『サンデー神戸』によりますと、
中学校の部活といえば、6時間目終了後にはじまり、休日は顧問の引率のもと他校で試合を行うというイメージをもつ人が多いと思います。
神戸市は、従来の部活動を、学校の垣根を超えた「神戸の地域クラブ活動」=「KOBE◆KATSU(コベカツ)」に変えていこうと取り組んでいます。
ここ数年における過熱化や体罰などの問題を受け、2018(平成30)年に国から部活動にまつわるガイドラインが示されました。そのため、現在においても、平日は少なくとも1日、さらに土日のいずれかを休養日と設定し、週あたり2日以上の休養日を設けることが全国的な規定となりました。
6時間目が終了する午後3時から、部員全員がそろって部活動を開始できるのは午後4時ごろ。神戸市においては、中学校の完全下校時刻は午後5時を目安として設定していることから、平日の活動時間は1時間足らずという現状です。
さらには少子化の影響などもあり、単独では試合ができない部活動や廃部という部活動が増加し、結果として生徒の選択肢が減ってしまうという状況に陥っています。
そこで神戸市は、将来にわたって生徒が多様な活躍を選択できるよう、地域住民とともに活動する「神戸の地域クラブ活動」=「KOBE◆KATSU(コベカツ)」の取り組みを発表しました。
この取り組みは、放課後や休日など、子どもたちの大切な時間をより豊かで充実して過ごすためのもので、2026(令和8)年9月からはじまる予定です。
現在は、自身の通う学校にある部活動から選んで参加するため、小学生から続けてきた種目がないケースもあります。たとえ、その種目が隣の学校にあったとしても他校に通うことはできません。
こうした課題を解決すべく、コベカツでは、自身の通う学校だけでなく近隣校やそのほかのエリアから“やりたい活動”を選んで参加することができます。
サッカーやバスケットボール、吹奏楽など、これまでの人気種目に加え、部活動にはなかったスポーツクライミング、ボルダリング、パラスポーツが選択肢に並びます。さらには、農業や地域の祭りの企画、子ども食堂を通した地域活動、社会貢献活動のほか、ものづくりに興味を持ってもらう入口として、ドローンサッカー、プログラミング、語学といった幅広い活動ができるようになるそうです。
コベカツは、地域の文化・スポーツ団体が中心となって運営するため、家族や先生以外の大人と交流する機会が生まれるだけでなく、将来につながる活動を選ぶこともできます。
これまで、部活動があることで十分に取り組めていなかった放課後の学習指導や細やかなカウンセリング、居場所づくりなどにも力を入れるそうで、コベカツと学校教育全体でメリットを高めていくとの意向です。
活動団体は、地域の文化・スポーツ団体、総合型地域スポーツクラブ、企業、大学、希望する教員、市役所の職員など。指導にあたっては、熱中症対策、ハラスメントの防止、中学生への指導、安全管理などの研修を毎年受けることになっています。
現行の部活動で、部員数が多く一般的にニーズが高い種目については、コベカツ開始後も在籍校または近隣校で続けられるよう調整がなされるとのことです。
活動団体の1次募集が終了した現時点において、526の団体が登録されました。2次募集は6月ごろを予定しており、詳細はコベカツの専用ホームページにて掲載されるそうです。
神戸市教育委員会事務局コベカツ推進担当の魚山さんは、このように話しました。
「子どもたちのために、より良い制度となるよう全力で頑張っています。中学生の放課後や休日の過ごし方を社会全体で支えられるよう、コベカツもコベカツ以外の活動も含めて、より良い制度になればと思っています。部活動とは違う、新たな取り組み。指導だけではなく、趣味を一緒に楽しむ活動もコベカツですので、ぜひ皆さんの得意分野を活かしてご協力いただければと思います。」



