「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える47

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
 前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
 今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
 これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。


 「運動脳」の解説44

「アストロサイト」の異常が神経発達症(発達障害)に関わっている

 前回、最新の脳の研究から、グリア細胞のアストロサイトの機能不全が、神経発達症(発達障害)や精神疾患の症状を発していることがわかりました。と述べました。
 神経発達症(発達障害)は、脳の機能障害です。その名のとおり神経ですから、脳細胞の神経細胞(ニューロン)の機能障害だけに特化した研究がなされてきました。ところが、アストロサイトの異常が神経発達症(発達障害)を引き起こしているのではないかという研究が発表されました。

 2022年、科学誌「Nature Neuroscience」9月号に掲載された米国の研究チームによりますと、「神経発達症(発達障害)にアストロサイトと呼ばれる脳細胞の異常が関係している」との研究成果の発表がありました。
 これまでの研究で、神経細胞(ニューロン)だけをシャーレで培養としても正常に発達しないが、アストロサイトかアストロサイトが分泌したたんぱく質を加えると、神経細胞(ニューロン)の神経突起伸長の発達が促進されることや神経細胞(ニューロン)は、神経伝達に必要なネットワークを形成するために、細長い突起上のつるのような組織を伸ばすことはわかっていた。
 同国生物医学系のソーク研究所の神経科学者のニコラ・アレン氏他は、アストロサイトは、脳の中の老廃物を除去したり、脳内環境を一定に保ったりする役目の他にも「マルチタスクに長けた細胞」であり、「適切な場所とタイミングで合図を出すことによって神経回路の形成を指揮している」つまり、「神経細胞(ニューロン)に何をすべきか指示をする役割をもっている」可能性があると述べた。

 このことから、神経発達症(発達障害)のある脳では、このアストロサイトがうまく機能していないのではという問いから、アストロサイトの異常を突き止めるための研究を行いました。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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