「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える15
子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
そのかかわりは胎児から始まります。
前回のコラムをもう一度掲載します。
「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。
子育てにとても重要なことを述べました。
皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。
「運動脳」の解説29
「生きる力」は、共同体感覚
前回、子どもに有用な道を経験させることが、優越性の追求であることを説明しました。この優越性の追求は、人間の本性であり、子どもたちの劣等感、弱さ、自信のなさなどから自分自身を解放することやより高いレベルに到達することそして平等感を得ることです。
但し、この優越性の追求を間違ってはいけない。前回の「Jr-Open」というテニスの競技スポーツであれば、勝たなければならないとか全勝しなければならないとか顧問やコーチの言う通りにしなければならないとか他の子どもよりも秀でたい、いつも一番になろうと緊張状態をつくり出しています。勝たなければならい、大人の教えたとおりにしなければならない。大人の言うことを聞かなければならない、型の動作をしなければならない。この行動を脳からみると全てが「ストレス反応」です。ストレスが身体や脳に与える悪影響は多大です。ここでは詳細は省きますが、「勝つ」とか「教えたとおり」って何でしょうか?脳に良いものでしょうか?
人生のつながりの有用な道は優越性の追求であることを前述や前回説明しました。では、優越性の追求を有用なものにするためにはどうしたらいいのでしょうか。アルフレッド・アドラーは、著書「子どもの教育」星雲社において次のように述べています。
優越性の追求を有用なものとそうでないものに区別する根拠は何か。共同体感覚というのが答えである。(p51)
これらの根本的な課題の相互連関は、社会生活を営む時に、これら三つの課題(対人関係・個人がどのようにして自分の生命を使おうとするのか、言い換えれば、労働の全般な分業においてどの役割を引き受けたいか・人類が二つの性に分けられているという事実)が社会的な、あるいは共同体の場においてのみ、言い換えれば、共同体感覚に基づいてのみ解決できるので非常に強いものになる。(p20)
多くの子どもと大人に、他の人と結びつき、仕事を家の人と協力して成し遂げ、社会的観点から自分を一般的に有用なものにしようとする傾向がみられる。このような表れは、共同体感覚という概念でもっともよく表現することができる。(p92)
個人的な優越性の追求と共同体感覚は、人間の本性の中の同じ根拠に基づいているのである。いずれも認められたいという本源的な要求の表現するものである。(p92)
「共同体感覚」とは、家庭、地域、職場などの共同体の中で人とつながっているという感覚のことです。 そして、人はこの感覚を感じられる時に、幸福を感じるとされています。この共同体感覚は、分解すると自己受容、他者信頼、他者貢献、帰属感の4つで構成されます。
当然ながら、脳では「シナプスの可塑性」が起きています。
「共同体感覚」は身近な他者から始まりますが、やがて個人が帰属(所属)する集団から、境界を超え自分とは一見関係のない他者・他集団へと広がっていきます。
この「共同体感覚」が「Jr-Open」なのです。前に説明しましたが、独りでは困難であっても、仲間と一緒なら向き合って解決できるのです。勇気を出して向き合う姿勢は、共感を呼び起こし、他者とのつながりを構築します。
次回に続きます。