「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える2
子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
そのかかわりは胎児から始まります。
前回のコラムをもう一度掲載します。
「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。
子育てにとても重要なことを述べました。
皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。
「運動脳」の解説28
「生きる力」は、優越性追求の方向付け
前回、子どもたちに「Jr-Open」というテニスの競技スポーツを提供して、「自分と向き合う勇気」づけを行うことを説明しました。
「Jr-Open」は実力順のリーグ戦です。ですから、同じ競技レベルのみんながその日一日一緒のリーグでプレーをします。つまり、勝敗に拘ったトーナメント戦ではないということです。勝つためには手段を択ばないような、つまり、自分の教え子が勝てるような偏った組み合わせではないのです。これを前回は、全ての対戦で勝つことは稀です。敗けたことをどう考えるかが「生きる力」になります。敗けたことを自分の弱みと受け止められるかどうかです。また、主体的な行動の結果や経験から失敗や挫折を体験します。そして、能動的に弱みに向き合うことで自己成長が促されますと述べました。
それでも、「競技スポーツでしょ。他の人より優れたい。」という自己の優越性という人間の本性が現れます。
このことについて、アルフレッド・アドラーは、著書「子どもの教育」星雲社において次のように述べています。
<優越性の追求の方向付け>
自分たちの人生構造を論理的で客観的な視点から見ない人は、大抵は自分の行動パターンの統一性、一貫性を見ることはできない。問題が現れた時、驚いてしまい、それに取り組む代わりに、問題に出会うような道を選んだことが間違いだった、と考えるのである。子どもについては次のことも覚えておかなければならない。子どもは有用な道を放棄すると、問題の重要性を理解しないので、否定的な経験から肯定的な教訓を学ぶことができないということである。それゆえ、子どもの人生のあらゆる出来事を解釈する時に、人生はつながりのない出来事の連続ではなく、連続した糸であると子どもに教えることが必要である。どんな出来事も人生全体の連関から取り出すことはできない。それに先立つすべてのこととの関係においてのみ説明することができるのである。子どもがこのことを理解すると、なぜ自分が間違った道に踏み込んだか理解できるだろう。
この経験から、自分の気質、性格、タイプ性、価値観、考え方、態度・行動などを深く知り、それを自分自身で納得して受け止めます。自己理解です。また、この体験したことから感じる自分の受け止め方や反応の仕方により、自分を認識する力を保ちます。自己覚知です。この二つは、自分自身を超越した場所から客観的に見ることや自分自身をコントロールし、冷静な判断や行動ができる能力、つまりメタ認知能力を育みます。
また、アルフレッド・アドラーが説くように、人生のつながりの有用な道は、結果ではなく経験つまり、いかに行動したかの経過が重要だということを認識するのです。
次回に続きます。