「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える19

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
 前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
 今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
 これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。


 「運動脳」の解説16

 脳の発達には「楽しい、心地よい身体運動」を行う環境が必要2

 私の取り組みについて説明します。取材記事にも紹介されていますが、テニス競技のJr-Openを開催しています。これが一つ目の環境です。1回きりではなく、シーズンを通して開催しています。これが「経験を増やす」ことつまり、脳の可塑性です。たくさん経験することで脳の神経細胞のネットワークが多様に形成されます。次に競技スポーツを「楽しい、心地よい運動」に変換することです。つまり、「勝ち負けに拘らない」こと。“「競技スポーツだから勝敗に拘るのが当たり前だ」「子どもだけでは負けるから」「子どもの負けるところを見たくない」”など勝利至上主義的な昨今でいえば、ブラック部活的な大人のエゴイズムです。勝つためには手段を択(えら)ばない方が身近にもおります。子どもを自分の都合の手段に利用しているようです。
 Jr-Openは「勝ち負けに拘らない」つまり、結果を重視しているのではなく、自分でどうしたのかという経過を大切にします。これを有言実行させます。ベンチコーチはありません。また、フェンス越しの身振り手振りも禁止です。声援ではなく拍手により応援することなど大人の介入なしに、「自分の力でどのくらいできるか」を実践できることになります。これが二つ目の環境です。
 次に、第三者の力を借りずに「自分の力でどのくらいできるか」を実践しますと、子どもたちが自己決定と自己責任でプレーしながら自分の価値を認め、「自分っていいな」と自己肯定感をもってプレーをするようになります。子ども自ら「わかる」「できる」を感じて、物事に率先して取り組む姿勢こそが大切なのです。これが三つ目の環境です。
 ここで間違った解釈をしている学校の先生や指導者、保護者など大人の方がおります。「自分の力でどのくらいできるか」を結果だけで判断していることつまり、点数がいいとか勝ったとかで判断している大人です。これは間違いです。
 この第二環境の「勝ち負けに拘らない」ことと第三の環境「自分の力でどのくらいできるか」は、脳のシナプスの可塑性を促進させます。
 私たち大人が介入すべきことは、子どもを信じて「楽しい、心地よい身体運動」を探し出し、実践することなのです。
 今後Jr-Openのように、競技スポーツを「楽しい、心地よい運動」に変換して、活動を行う方がたくさん増えることを期待しています。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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