「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える16

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
 前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
 今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
 これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。


 「運動脳」の解説13

 楽しい、心地よい身体運動

 前回、子どもの心身の発達や発達障害のケアには「活発に、身体を動かすこと」が必要であることを説明しました。
 「活発に」とは、自ら、自主的に、自分の意思で、自己決定でなど他の人が指示、命令、指導など関与しない、「心地よい身体の運動」という意味です。つまり、学校教育の知識の習得や競技スポーツなど同じ型、方法などの優劣の評価や勝敗にこだわるものではない運動ということを保護者の方はご理解ください。これを行っても、知識や型、方法を覚えなければならないという不安や恐怖など、子どもの脳にはストレス性分泌物しか派生しません。このストレス性分泌物は、脳の海馬に悪影響を起こします。つまり、子どものケアにはならないということです。また、「勝敗のみに拘る」競技スポーツの団体や指導者は、子どものケアのためにはなりません。
 それでは、どのような運動がいいのでしょうか。
 私の研究では、これを「子どもの発達の意欲値及び自分の伸びしろ値」理論と謳い、テニス指導で実践しています。簡単に説明すると、子ども自身が自分で何かできそうな気がする気持ちを持ち続けることなど、自分で考え行動し、結果的に自分自身でできた値は、自分自身の発達であるということです。そして、自分でできたときの喜び、笑顔そして自信につながる意欲をみたのです。詳しくは、後日紹介します。
 この「心地よく、楽しい運動」について、アメリカの医学博士ジョンJ.レイティ氏は著書において、「まず、気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくるもの」「新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロン同士の結びつきを準備し、促進するもの」「海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促すもの」と説いています。また、具体的な運動としては、心血管系と脳を同時に使うスポーツで、例えばテニスをするか有酸素運動を伴った不規則的なリズムに合わせた運動が効果的です。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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