「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える9

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「運動脳」の解説6

 脳を育てる

 前回、発達障害とは「何らかの精神発達のおくれをもち、それが生きにくさをもたらしている」と定義され、これが、脳の機能障害によるものとされ、簡単に説明しました。
 人間の行動は脳がもたらします。子どもについても、心身の発達を促進させるためには、脳を育てることになります。脳の神経回路は環境刺激により変化します。子育て、保育、教育、そして私の研究である「心地よい、楽しい運動」が、子どもの脳を育てることになります。これについては、後日説明します。
 脳が育つ条件としての一つ目は、神経伝達物質の分泌量を適量確保することにあります。神経伝達物質は、基本的には、神経細胞(ニューロン)が細胞体の核にある遺伝子の命令によって生産されるものですが、精神的環境や食生活によっても大きく左右されるのです。それゆえ、赤ちゃんの頃から、例えば精神的環境からいえば、スキンシップによりセロトニン量を増やすこと、楽しい雰囲気によりドーパミン量を増やすことなのです。このことはシナプス(細胞体や神経終末の樹状突起が、他の神経細胞(ニューロン)や組織に接する部分のわずかな隙間)にこうした神経伝達物質が伝えられるネットワークを作ります。
 脳が育つ条件の二つ目は、神経細胞(ニューロン)と神経細胞(ニューロン)の接点であるシナプスを増やすことです。神経細胞(ニューロン)は、脳全体で約1,000億個、大脳新皮質だけで140億個あるといわれています。乳幼児から20歳頃までは、この数はあまり変わらず、20歳頃過ぎると一日10万個程度は消滅するということです。
 幼児に比べ大人の方がより複雑な行動ができるのは、神経細胞(ニューロン)の数の問題ではなく、神経細胞(ニューロン)間のシナプスが増えていくことにあります。このシナプスが増えていくことを、脳のネットワークを作るといいます。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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