その子の内側の体験の世界32
その子の内側の体験の世界」第44回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
親が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
もう一度、読み直しましょう。
「その子にはたらきかける」4
マザリングから育まれるもの
マザリングの日々から何が育まれるのでしょうか。
<能動的な力の感覚>
泣くつど、親の手によって不快が取り除かれます。
この体験の積み重ねによって、不快に強いられて反応や生理的に泣くという受け身のものだった啼泣が、不快を除くための啼泣、親への能動的なはたらきかけの色を帯び始めます。
人は能動的なくしては生きていけません。
最初に芽生えた能動性を、能動的な力の感覚、私たちが普段使う言葉ですと「自信」の芽生えとなります。
<護られている感覚>
泣けば不快が除かれます、泣けば護られる体験の繰り返しから、周りから護られている感覚、周りの世界への「安心」の感覚が、身体全体で根付き始めます。
心理学者エリクソンが「基本的信頼basic trust」と呼んだもので、これが人間がいろいろな困難はあっても、周りの世界や自分自身をなんとか信じて生き抜いていける最初の土台となります。
次回に続きます。