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「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくる4

吉田洋一

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テーマ:子育てとは

 私の研究における、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」は、すべて脳科学を基にする取り組みと活動です。また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくる
 この馴染みのない表題に、皆様方からいささか怪訝そうな顔色が垣間見えてきます。
 この表題のシリーズでコラム掲載を短編的に掲載します。
 また、「子育てとは、脳を育てること」における、脳を育てることの手段や方策などに関わります。

 最新の脳科学における「運動と脳」の新常識を次に述べます。

「運動は記憶をつかさどる」「脳の海馬に影響をおよぼす」1
記憶力が良いなどの言葉は、日常でよく使われる表現です。
 記憶とはものごとを忘れずに覚えておくことをいい、記憶力は覚えておくために必要な力を示しています。
<記憶の仕組み>
 記憶の過程は、情報を受け取る「記銘」それを保つ「保持」それを必要に応じて呼び出す「想起」の3つから成り立ちます。
 生活の中では、膨大な情報が感覚器に飛び込んできます。その情報はひとまず海馬に送られ、海馬周辺の神経回路や大脳皮質の連合野へと伝えられますが、ほとんどは消えてしまいます。
 海馬に保持できる時間は、数秒から1分程度でこれを「短期記憶」といいます。短期記憶の保持には限界があるので、繰り返し繰り返したり、口に出したりすることで記憶が形成されます。
 「長期記憶」は、数分から年単位あるいは一生涯保持されるもので、陳述記憶と手続き記憶に分けられます。陳述記憶は、暗記した単語や旅行に行った思い出などで、言葉やイメージであらわすことができるものです。手続き記憶は、自転車の乗り方、ピアノの弾き方など身体で覚えたもので、いちど覚えると忘れにくいものです。
 さらに「作業記憶(ワーキングメモリ)」もあります。脳のあちらこちらにある情報を集めて、一時的に保存し、それらを整理して、これからどうするかといったことを決めます。
 
 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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