バブリングからやりとりが始まる
「その子の内側の体験の世界」第33回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」32
○口唇期
授乳によるかかわり、すなわち口唇が親子の交流のたいせつなチャンネルとなる乳児期です。
授乳によって、乳児は単に栄養を与えられ、空腹が満たされる満足を得るだけではありません。優しく胸に抱かれて乳首から温かなミルクを吸うこと自体に深い喜びや満足や安心を得るのだとフロイトは強調しています。
精神発達的には、日々繰り返される授乳を通して、乳児は養育者との間に親密で愛着的(ピアジェ)な性愛的(フロイト)な関係のきずなを深めていきます。
私(吉田)は、この口唇期におけるお互いの双方向性と一体性が、乳児が生きるために必要な刺激を要求している術と解しています。
次回に続きます。