模倣としぐさの共有
「その子の内側の体験の世界」第20回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」19
○発達の4段階
ピアジェは知性の発達を大きく4つの段階に分けています。精神発達とは、これらの段階を子どもがステップアップしていく歩みです。
1 感覚運動期 - 0歳から2歳ころ
2 前操作期 - 2歳から7,8歳ころ
3 具体的操作期 - 7,8歳から11,12歳ころ
4 形式的操作期 - 11,12歳ころから
1 感覚運動期
言語獲得以前の知性の段階、乳児期から幼児初期になります。
乳児の体験世界は、最初は反射や生理的な反応として始まりますが、試行錯誤を繰り返しながらの探索を通してなされる同化と調節によって、外界や体験についてのその子なりの認知的なシェマをつくりだすようになります。
これはもはや受動的な反射や生理反応ではなく、意図や目的の萌芽をはらんだ能動的活動で、主体的や能動的に世界をとらえようとするこころのはたらき、つまり「知性」の始まりなのです。
さらに、同化と調節が重ねられるにつれて、先に哺乳瓶やガラガラの例で示したように、シェマは次第に複雑なものになっていきます。
が、言語以前の認知のレベルの体験世界なので、論理性はまだもてないのです。論理とは概念の操作によって初めて成り立つもので、したがってここでの体験世界は、論理からではなく感覚や運動などの直接的な身体体験から構成させる世界です。
次回に続きます。