その子の内側の体験の世界14
「その子の内側の体験の世界」第18回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」17
○能動的な主体的な世界のとらえ方
こうした経験の積み重ねの中で、同化と調節を繰り返しながら、より複雑でより高度なとらえ、つまりより複雑な高度な「シェマ」をつくり上げて環境により合理的に適応していくことこそ知性のはたらきで、同時にそれが知性の発達であるというのが、ピアジェの精神発達の原理なのです。
人間の外界のとらえは、外界を生理的に感覚や知覚したままに受動的につかむのではなく、それを何らかのかたちに能動的に構成づけて主体的にとらえ直すはたらきなのです。
ピアジェの「シェマ」という概念は、このように能動的に主体的に構成されたとらえの図式です。
ピアジェの優れた点は、このように認識に向かう人間の知性のはたらきが能動的な主体的な性質をもつこと、ひいてはその能動性が乳児期から早くも発揮されている事実をしっかりとつかんだところにあります。
ピアジェは、子どもは能動的に主体的に世界をとらえながら精神の発達を進めていくことを論じたのです。
次回に続きます。