その子の内側の体験の世界36
「その子の内側の体験の世界」第15回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」14
○発達の原動力としての「均衡化」(ピアジェ)
このように生物は、同化と調節とを車の両輪として、環境によりよく適応していきます。
これが発達のプロセスです。
そのためには、環境のあり方と自身のあり方との間に調和的な安定的なバランスを絶えず保たせようとする力がはたらき続ける必要があります。
ピアジェは、この力のはたらきを「均衡化」と呼びました。
同化と調節を推し進めるのは、この「均衡化」の力なのです。
環境の中でより安定した生存へ向かわせる同化―調節のはたらき、すなわち均衡化が生物を発達(成長)させる原動力であるとピアジェは考えました。
樹木でもミミズでもウサギでも、生物はすべてこの発達構造をもっています。
ただし、それぞれの種ごとに与えられた条件があり、その条件に規定されたうえで同化と調節がなされるのです。
次回に続きます。