育てる側のむずかしさ③
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は141回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
27 触れる感覚が過敏、衣服のこだわりが強い
<学校に期待すること>
みんなと同じ服装ができない、身だしなみができないのは、障害が原因でその子には悪気がないことを先生には、理解してもらいましょう。
小学校では体操着や帽子のあご紐、給食のエプロンの袖口など圧迫感が苦手な子がいる衣服があります。
先生には単なるわがままではなく、その子の感覚の過敏さの問題であることを伝えて、理解してもらいましょう。
<ダメな例>
○嫌がる子を叱る
「この服を着なさい!」こう叱っても効果はありません。
その子は着たい気持ちがあっても、感覚過敏で着れないのです。
一番困っているのは、その子なのです。
○強い刺激を与えすぎる
感覚が過敏な子に急激な刺激を与えても、その子が強い苦痛を感じるだけです。
慣れさせるには、徐々に軽い刺激を継続的に与えることが大切です。
無理な強い刺激は逆効果になります。
(27終わり)
次回に続きます。