小学生の発達の症状の特徴29
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は83回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
15 極端に不器用です。工作が苦手です。絵が下手です。
<学校に期待すること>
○その子への配慮
図画工作の授業で、その子の進み具合が遅いと先生に迷惑がかかります。
先生に適切なサポートをしてもらえるように相談をしましょう。
○できないところを手伝ってもらいます
工作や絵を描くことで、その子ができない部分だけを先生に手伝ってもらいましょう。
絵を描くときに輪郭は描けないけど色塗りはできる子なら、先生に輪郭を描くのを手伝ってもらいましょう。
できないことに時間をかけてもその子はすぐにはできません。
うまく進めないポイントで先生に適切に手伝ってもらって、先に進めるようにしましょう。
<ダメな例>
○言葉だけで指示をする
「丸く線を描いて」「まっすぐに切って」と言葉で指示しても、その子はうまくでいいません。
その子は障害のためにうまく絵を描いたり、道具を使うことができないのです。
言葉だけで指示をしても、どうやったらいいのか理解できずに、先へと進むことができないのです。
できないところは、まずやってみせてあげましょう。
○ダメ出しをする
できた作品をダメだしするのはやめましょう。
色が悪い、形がおかしい、高さがそろっていない。
もっとうまくなるようにアドバイスするのはたいせつですが、その子は不器用でも頑張って作っているのです。
その子の自尊心を傷つけるような批評はやめましょう。
出来上がった作品は、どんなものであっても子どもが頑張って作ったものです。
褒めてあげましょう。
(15終わり)
昨日はイベントのためにコラム掲載をお休みしました。
次回に続きます。