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小学生の発達の症状の特徴73

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は73回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。


14 国語の音読ができない
〇読むことだけできないなら、LD学習障害が原因かも
 読むことだけができないなら、LD学習障害かもしれません。
 LD学習障害とは、読むことや書くこと、計算することなどのうち、どれか特定の学習能力だけに著しい困難がある発達障害です。
 文字を書くことはできても、文章を読むことだけが著しくできないのは、LD学習障害の典型的な特徴です。
 逆に、すらすら本読みはできても書くことができない場合も、LD学習障害の典型的な特徴です。
 LD学習障害が原因で、特定の学習能力が弱い場合は小学生から成長して、中学生や高校生、大人になっても現状はかわらないのが通例です。

〇LD学習障害でも、耳で聞いたことなら覚えられる
 読むのではなく、耳で聞いたことを声に出して話すことはできます。
 LD学習障害で、教科書や本の文章が読めない子でも、耳で聞いたことならすらすら話す子がいます。
 こんな子は、文章を読めているのではなく、文章を暗記して声に出して言っているのです。
 国語の教科書の文章は、何度も何度も繰り返し音読します。
 LD学習障害で読むことが苦手でも、記憶力がよければ何度も聞いているうちに、文章を丸暗記して声に出して言えるようになります。
 ただし、実際には文字を見ながらすらすら読めているわけではありません。
 音読が苦手な特徴を克服する術にはなっていないのです。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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