小学生の発達の症状の特徴69
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は73回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
14 国語の音読ができない
〇読むことだけできないなら、LD学習障害が原因かも
読むことだけができないなら、LD学習障害かもしれません。
LD学習障害とは、読むことや書くこと、計算することなどのうち、どれか特定の学習能力だけに著しい困難がある発達障害です。
文字を書くことはできても、文章を読むことだけが著しくできないのは、LD学習障害の典型的な特徴です。
逆に、すらすら本読みはできても書くことができない場合も、LD学習障害の典型的な特徴です。
LD学習障害が原因で、特定の学習能力が弱い場合は小学生から成長して、中学生や高校生、大人になっても現状はかわらないのが通例です。
〇LD学習障害でも、耳で聞いたことなら覚えられる
読むのではなく、耳で聞いたことを声に出して話すことはできます。
LD学習障害で、教科書や本の文章が読めない子でも、耳で聞いたことならすらすら話す子がいます。
こんな子は、文章を読めているのではなく、文章を暗記して声に出して言っているのです。
国語の教科書の文章は、何度も何度も繰り返し音読します。
LD学習障害で読むことが苦手でも、記憶力がよければ何度も聞いているうちに、文章を丸暗記して声に出して言えるようになります。
ただし、実際には文字を見ながらすらすら読めているわけではありません。
音読が苦手な特徴を克服する術にはなっていないのです。
次回に続きます。