小学生の発達の症状の特徴107
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は19回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
4 算数ができない
(続き)
<学校に期待すること>
○その子への配慮
授業中にあたられたときに答えられないときがあります。答えるのに時間がかかるのです。
当然ながら、クラスみんなの授業時間に支障をきたすかもしれません。
答えを急かれると答えられず、みんなの前で答えられなかったことで、その子が自信を無くすかもしれませんし、算数の授業が嫌になって、さらに算数の勉強ができなくなってしまいます。
算数ができないのは、発達障害が原因であることを担任の先生に理解してもらい、授業のときに配慮をしてもらいましょう。
○ヒントを出す
授業中にあてられたときに問題ができなかったり、わからなくて黙ったときは、ヒントを出してもらいましょう。
その子がわからずに黙ったときには時間をかけてもかまいません。
授業中に先生のサポートで、簡単なことでも答える経験を積み重ねることがその子の算数の勉強に効果的になるのです。
○すぐに答えを見せる
わからないことを無理にさせてもできるようにはなりません。
授業中に問題を答えるときにその子だけ特別に教科書の参考となる部分を見せながら、問題を解かせたり、答えを見せながら計算をさせましょう。
わからない問題に無駄な時間をかけるより、答えを見て書き写しながら覚えた方が効果的です。
その子が算数ができないのは、障がいが原因であって、その子の努力不足ではないのです。
クラスの他の子が不公平に感じない範囲で、その子が効果的に勉強ができる方法をみつけてあげましょう。
<ダメな例>
できない問題を無理にやらせても時間の無駄です。
算数の問題がわからずに、一番困っているのはその子なのです。
できないことを叱ったり、できないことを押し付けたりせず、どうやったらできるかの工夫を考えましょう。
(4終わり)
次回に続きます。