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小学生の発達の症状の特徴17

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は17回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

4 算数ができない
(続き)
<原因は>
 障がいのため、注意力や記憶力、推論する力が弱いのです。
 発達障害や知的障害をもつ子が、算数ができないのは注意力や記憶力、推論する力が障がいのため弱いのが原因です。
 ・注意力が弱いために計算ミスが多くなります。
 ・記憶力が弱いためにかけ算や九九や計算のルールを忘れてしまいます。
 ・推論する力が弱いと数や図形の概念、文章問題が苦手になります。
 このようなことが、算数ができない特徴の一つです。
 算数に必要な能力弱いのは、障がいが原因であって、その子本人の努力不足ではありません。
 勉強全般が苦手な子の場合は、軽度の知的障害の可能性があります。
 知的能力の遅れがない子で、算数だけが苦手な場合には、他の障がいなどの可能性があります。

<原因が学習障害(LD)の特徴>
 学習障害(LD)とは、特定の学習能力だけに困難があるものです。
 知的能力が全般の遅れはないのに、算数だけできない、書くことができない、読むことができない、これが学習障害(LD)です。
 学習障害(LD)が原因で、算数ができない子の場合は、他の教科と比較すると算数だけが極端に苦手です。 
 文字を書いたり、文章を読むことに問題はなく、国語の勉強はできるけど、算数だけがほとんどできないのであれば、学習障害(LD)の可能性が高いです。

<原因がADHDの特徴>
 ADHDとは、注意欠如多動性障害というものです。
 注意力の欠如や落ち着きのない多動性、突然の行動が多い衝動性、これがADHDの特徴です。
 ADHDが原因で、算数ができない子の場合は、うっかり間違うケアレスミスが多いことです。
 また、計算の途中で、突然変なミスをしたり、文章問題では問題の意味と全く違う答えを書いたりします。
 わかっているのに、いつもなぜか間違ってしまうなら、ADHDの可能性が高いです。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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