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小学生の発達の症状の特徴12

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は12回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

3 文章の理解力がない
(続き)
<その原因は>
 その子の文章の理解がない原因には3つの要因が考えられます。
 1 知的障害が原因
 2 視覚が原因の読字の障がい
 3 聴覚が原因の読字の障がい
 まず、その子が文章の理解力がない原因として、知的障害が考えられます。
 発達障害と知的障害は、同時に発生することも多くあります。
 計算などの分野では、知的な遅れがなくても、言語分野に知的障害があることも考えられます。

○読字障がいと学習障害(LD)
 学習障害(LD)の一つが読字障がいです。
 人との会話などで知的能力は高く、知的障害がない場合には読字障がいが原因です。
 読字障がいは、英語で「ディスレクシア」と呼ばれ、特定分野の学習だけが苦手な学習障害(LD)に含まれます。
 読字障がいには、視覚が原因となる場合と聴覚が原因となる場合があります。
 脳が眼球の動きをコントロールできずに、文字を文字として認識できないのが、視覚が原因の読字障がいです。
 次に、文字は「読み」と結びついて、言語になっています。
 耳で聞いた音声を脳が言語と認識できないと文字の読みにも影響がでてきます。
 これが、聴覚が原因の読字障がいです。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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