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小学生の発達の症状の特徴8

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は8回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

2 字を書くのが苦手
(続き)
<うちの子の場合は>
 うちの子も字を書くのが苦手です。
 ・手の力が弱いので、筆圧がありません。
 ・すごく不器用なので、線をなぞることが苦手です。
 ・低学年の頃は、線や四角、丸などの形をなぞる練習をしていましたが、うまくなぞることができませんでした。
 ・自分の書いた字が、自分自身で読めませんでした。本人はきれいに書こうという気持ちはあるのですが、うまく書けません。
 ・字が読めないと、学校の勉強をやるのに本当に困ります。高学年になっても、急いで書くと字が下手で、読めないことがありました。

<困ることは>
 ・とにかく自分が書いた字が汚くて読めないので、学校生活では困ってしまいます。字が下手なので、自分自身が書いた字が読めません。国語はもちろん算数の計算も自分の書いた字が読めないと勉強がまともにできません。お手本の文字をなぞれば、キレイにかけることもありますが、お手本の字をなぞれないときもあります。

<その原因は>
 字を書くための脳の機能が弱いためです。
 字を書くためには、
 ・文字の形を正確に思い出す
 ・書き順を思い出す
 ・文字を書く位置を確認する
 ・鉛筆を手で動かす
 ・書いている途中の文字を見ながら次に書く位置を決める
 ・文章全体のバランスを考えて書く
 このように、いろんな機能が上手に動いて文字が書けるのです。
 脳の症状によって、何か一部の機能に支障があると、上手に書けずに字が汚くなってしまいます。
 また、字が汚い原因は一つではなく、
 ・バランス良く文字を書く感覚が不足している
 ・握力や手の筋力が弱い
 ・極端に不器用
 ・字をきれいに書こうとしない

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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