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小学生の発達の症状の特徴7

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は7回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

2 字を書くのが苦手
 文字を書くのが苦手で、字が汚い。
 どんなに練習しても、全然文字が下手なのが直りません。
 ・鉛筆を上手く使えない
 ・漢字を正しく書くことができない
 ・字の大きさがバラバラで、マス目からはみ出す
 ・鏡文字でひらがなを書く

<線がまっすぐ引けない。図形が描けない。>
 文字を書くのが下手だけでなく、線を引いたり、図形を描くのも苦手です。
 ・まっすぐな線が引けない
 ・丸が描けない
 ・四角形が描けない
 当たり前のようなことでも、なぜか上手く描けません。

<黒板を書き写すのが苦手>
 教科書の文章をノートに書き写すのは上手にかけても、学校の先生が黒板に書いた文章をノートに書き写すと字が下手になる子もいます。
 黒板の文字を写すときには、次のように脳が働いています。
 ・黒板をみて、文字を認識する
 ・黒板の内容を暗記する
 ・ノートを見て、書く位置を決める
 ・黒板の内容の記憶を思い出す
 ・ノートに文字を書く
 教科書とノートを横に並べて書き写す場合には、教科書とノートが同時に視界の中に入るので、教科書の文字を暗記する必要はありません。
 横に並べて物を書き写すのは、ちょっとだけ簡単ではあります。
 しかし、黒板の文字を書き写すには、黒板とノートは同時に視界に入らないので、一瞬の間でも暗記が必要になります。
 この「一瞬だけ暗記する」という、一つの動作が加わるとその子には一気に複雑な動作になってしまします。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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