小学生の発達の症状の特徴103
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は6回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
1 すぐ泣く。突然泣き出す、怒り出す。
(続き)
<学校に期待すること>
その子は、すぐ泣く、突然怒ったりする特徴があることを先生にしっかりと伝えましょう。
家庭でやっている対処やその子の特性を先生とよく話し合って学校でやっていただけることを相談しましょう。
つまり、「その子らしさ」を理解し、共有することです。
<学校での対応例>
○泣き出しても、気にしない
その子が突然泣き出したり、突然怒り出しても、過度な対応をせず、気にしないでもらいましょう。
良かれと思ってその子に、丁寧な対応をしてくれる場合があります。そのことが、かえってその子の行動を助長することもあります。
○静かな場所へ移動させてもらう
泣き止まないときには、教室の外の静かな場所へ連れて行ってもらいましょう。
教室の中で泣き続けると、他のお友達に迷惑がかかります。
それと、大勢の友達に注目されることで、さらに興奮してしまうことがあります。
人が少ない静かな場所へ移動させてもらい、興奮を冷ましてもらう対応をお願いしましょう。
<ダメな例>
○イライラして、大声で叱る
その子が些細なことで、突然泣き出したり、怒り出すと、ついついイライラしてしまいます。大声でその子を叱ると興奮して、さらにひどく泣き出したり、怒ったりします。
大声ではなく、冷静に注意して、その子を興奮させないようにしましょう。
○ご褒美で泣きやませる
たとえ、ご褒美で泣きやんだり、怒るのをやめても、問題の根本原因は解決しません。
また、同じことの繰り返しになり、ご褒美がさらにエスカレートすることになります。
その子に、感情を抑えて我慢することを学ばせるためには、ご褒美ではなく、我慢する本人の頑張りを支援しましょう。
○泣きやんだ時にしつこく叱る
泣きやんだ時に、その子に言い聞かせても、理解できません。
泣きやんだ直後は、興奮状態が残った状態なので、物事を教えても効果がありません。
泣きやんだ時は褒めてあげて、泣くのを我慢したら褒められると、その子が感じられるようにしましょう。
(1終わり)
次回に続きます。