幼児の発達の症状の特徴31
今回から数回に分けて、各年齢段階(今回から小学生6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(disorder)が生じているだけなのです。
1 小学生
この小学生の時期は、注意欠陥多動性障害ADHDや学習障害LDが発見されやすい年代です。
小学校の集団生活では、発達に支障がある子の困りごとが多くあります。
早期にその子の支障を発見して問題を解決していきましょう。
その子の特徴をよく見て、様子を観察していきましょう。
幼児と乳児の発達の症状の特徴のまとめ18でも解説しましたが、幼稚園や保育園などという、つまり外側からとらえた通常とか普通とかからのずれ(disorder)を解説しました。
当然ながら、今まで説明してきたことは、外側から観察した子どもの行動の特徴です。
このような客観的な把握がたいせつなことはもちろんですが、とはいえ私たち人間は、行動を生きているわけではありません。
外側から「行動」と観察されるものは、本人の内側からすれば「体験」であり、私たちは「体験」の世界を生きているのです。
つまり、子どもも同様であって、子どもを理解するとは、その体験を理解することなのです。
さて、小学校という外側ではどうでしょうか。
まだ、一斉にみんなが同じことをできるようなやりかたで、同じくできないものを差別区別しているでしょうか。
これからの教育が「個別最適な学びと協動的な学び」に変わりました。
一斉に同じことをやれるようなあるいはそれを評価する時代ではないのです。
その子の内側の「体験」を理解して、学びをしているでしょうか。
これは、「その子らしさ」の基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
次回に続きます。