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幼児の発達の症状の特徴56

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 3歳から6歳児の幼児における発達の症状の特徴の56回目を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
 また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
 発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。

16 いつまでもやめない。切り替えできない。
(続き)
<幼稚園に期待すること>
 その子が行動の切り替えが苦手なのは、本人がわがままな行動をしているわけではありません。自閉症の傾向がある子の特徴なのです。そのことを幼稚園の先生には知っていただき、サポートをお願いしましょう。
 ○顔を見て話しもらう
 「外遊びは終わり」と、みんなに向かって指示してもその子は行動の切り替えができません。その子の顔を見て「外遊びは終わりだよ」と個別に言われると自分への指示だと気づくことができます。
 ○具体的な指示をしてもらう
 「早く片付けて」という指示ではなく、「読んでる本を本棚に置いて、手を洗ってきて」と、具体的な指示を与えた方が行動の切り替えができやすいです。
 ○加配の先生がいる場合は
 その子はみんなへの指示を自分のことと理解できないことが多いので、加配の先生に個別の声かけをお願いしましょう。
 次にやることを加配の先生に説明してもらえるとその子でも気持ちの切り替えができやすくなります。

<ダメな例>
 ○わがままと叱る
 その子を叱ってもわざとやっているわけではないので、叱られた意味を本人が理解できません。その子にはやりたいことをやったら叱られたそんな記憶だけが残り、ますます自分の世界だけに入り込む原因になります。
 今やっていることから、次の行動に興味を向けさせる方法を試しましょう。
 ○無理やりやめさせる
 おもちゃを取り上げる。本を取り上げる。いつまでもやめないので無理やりやめさせてもその子は成長しません。
 その子が自分自身で行動を切り替えないと、問題の根本的な解決にはなりません。
 強制的にやめさせることを続けると、パニックを起こしたり、一層自分の世界に入り込み、自閉傾向が強まる恐れがあります。
 次の行動に興味を向けさせる方法がその子には効果があります。
 (16終わり)

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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