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幼児の発達の症状の特徴21

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 3歳から6歳児の幼児における発達の症状の特徴の21回目を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
 また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
 発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。

5 我慢ができない
(続きです。)
 <我慢ができない、幼稚園に期待すること>
 ルールが理解できない子や順番が理解できない子の場合は、幼稚園の先生のサポートがあれば改善できることが多くあります。
 障害で理解力が弱いだけであり、悪意はないことを幼稚園の先生に理解してもらい、その子の特性を踏まえたサポートをお願いしましょう。
 「いただきます」の前に食べ始めたら「食べないで」ではなく、「スプーン(箸)を置いて、手をひざの上に置いて」と具体的に何をするかを指示するとその子の行動がしやすくなります。
 「順番に並んで」と言っても、理解力の弱いその子にとってはどうすればいいかわかりません。列の一番後ろを指差しながら、「あそこに並んで」と具体的にお話ししましょう。
 ルールや順番という抽象的な概念ではなく、どこで何をするのかという具体的な指示や説明をして、その子が理解できるようにしましょう。
 その子がルールを無視したり、順番抜かしをしても見過ごされ、特別扱いさせる時があります。これではその子本人の成長は難しいのです。
 幼稚園の先生には、他のお友達と同じように「ダメなものはダメ」としっかり指導してもらいましょう。
 担任の先生の他にサポートの加配の先生がついてくれる場合は、加配の先生が一緒に順番に並んで待ってもらう。そばで一緒に遊びながらルールを教えてもらう。順番が回ってきて遊ぶ時の楽しみやルールを守って遊ぶ楽しみをそばについいて教えてもらいましょう。
 
<間違った例>
 遊びのルールを長々と説明しても、その子は記憶力や理解力が弱いので効果がありません。
 すべてを理解することはできないので、ちょっとくらい間違っても気にせず徐々に覚えるようにしましょう。
 「なぜルールを守らないの?」「なぜ順番を守れないの?」と叱っても、その子の場合はルールや順番そのものが理解できていないのです。「なぜ?」と叱るのではなく、何をどうすればいいのか具体的に指示や説明をしましょう。
 (5終わり)

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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