幼児の発達の症状の特徴9
3歳から6歳児の幼児における発達の症状の特徴の17回目を解説します。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。
4 友達に乱暴する
(続き)
<お友達への暴力をなくすため、幼稚園に期待すること>
幼稚園の先生には、障害で衝動的な行動が多いのが乱暴する原因だと理解してもらいましょう。衝動的な行動さえ抑制できれば、乱暴する機会は減少します。特性を踏まえた上での教育をお願いしましょう。
お友達に乱暴したときは、すぐに誰もいない別の場所へ移動させてもらいましょう。他の子にケガをさせる危険があります。興奮状態で注意しても効果はありません。静かな場所で興奮を静めてから、対処してもらうようにお願いしましょう。
周囲の子から隔離してお友達を安心させてもらうことで、仲間外れの原因を減らすことにもつながります。
発達障害児の場合は、お友達に乱暴してもしょうがないと見過ごされる場合があります。特別扱いはその子本人のためになりません。悪いことをしたら、しっかりと謝らせるようにお願いしましょう。
担任の先生の他にサポートの加配の先生がついてくれる場合は、お友達とトラブルになりそうなときは、事前に注意して乱暴を防いでもらいましょう。
お気に入りのおもちゃで遊べないときには、他のおもちゃへと気をそらしてもらうと効果的です。我慢できたときに褒めてあげましょう。
<間違った例>
・「なぜ乱暴するの」と質問しても、その子には効果がありません。
・障害のため、衝動的に乱暴してしまうのが原因なので、なぜと問いかけてもその子本人にも理解できていないのです。
・乱暴したときに、激しく叱るとますます興奮してしまい、その子自身が冷静に自分の行動を反省できなくなります。その子が興奮しているときには、自分自身の行動を反省できるように落ち着くことに注意しましょう。(4終わり)
次回に続きます。