ADHDと落ち着きのない子どもたち
発達障害者支援法における発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する「脳機能の障害」であってその症状が通常低年齢において発現するものと謳っています。
前回の7つの分類では、コミュニケーション症群や自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害、LD)、発達性協調運動症が該当します。
昨今、1クラス(35人学級)に約3人程度が発達障害の可能性とニュースがありました。この法でいっていることを報道したものです。
前回をもう一度復習しましょう。
コミュニケーション症群です。特徴は、表出、受容言語能力のつまずきや構音が不明瞭、吃音、言語や非言語的なコミュニケーションのつまずき、明確なこだわりや感覚異常を認めようとしません。対象者は、自分の思うように表現できないことなどでのイライラや嫌悪感などです。保護者の苦労は、イライラと焦り、怒りや不安、不憫さ、申し訳なさがあります。対応は、聞き返しはしない、つまり、苦手意識、恥ずかしさをつくらないことです。また、加齢にしたがって改善する可能性がありますので焦らないことです。
次に、自閉スペクトラム症です。特徴は、社会的コミュニケーション及び相互関係の障害、社会的相互関係の発達の障害、言語性・非言語性コミュニケーション能力の発達の障害などです。対象者は、自分が「わからない」という強い不安があります。保護者の苦労は、理解してもらえないことの憤りやきびきびしたものの言い方や冷たく硬い印象を与えます。対応は、変化を嫌い、恐ろしがるしぐさがあので、視覚的印象を活かしたものにします。また、強制しない一貫性のあることがたいせつで、わが子の安全性を保持します。
次に、注意欠如・多動症(ADHD)です。特徴は、12歳までに、2か所以上で6カ月以上にわたり発生し、他の障害の経過中の症状では説明できない、異常な不注意・多動性・衝動性です。対象者は、自分では「わかっている」のに自己制御不能やうまくできないことのもどかしさです。保護者の苦労は、常にイライラした関係があり、周囲から非難をうけやすいですし、自責とわが子への攻撃性が生じます。対応は、行動を統制するためのチェックリストなどを利用します。自己評価を下げないためにも「良い」評価とできることを保証してください。何といっても保護者のサポートが必要です。
次に、限局性学習症(学習障害、LD)です。特徴は、学習や学業的技能の困難さや読み書きの困難さ、読んだものの意味の理解の困難さや書字の困難さや数学の概念、計算の習得の困難さ、数学的推論の困難さです。対象者は、自分では「なぜできないのだろう」などと混乱します。保護者の苦労は、わからない相手への関わり方に、何かわからないかがわかりえないところにあります。対応は、わかりやすい教え方や身体のバランスの強化や感情の表現と理解を促します。
次に、発達性協調運動症です。特徴は、運動面の不器用、協調運動のつたなさです。対象者は、みんなができるように、体が動いてくれない不自由さの思いです。保護者の苦労は、イライラと焦り、怒りや不安、不憫さ、申し訳なさが生じます。対応は、競争的競技(勝ち負けだけの競技)に無理に参加させないことや適切な手助けをすることや時間がかかりますが徐々に身のこなしが滑らかになります。
それぞれの症状の子どもたちはどう思っているのでしょうか。
コミュニケーション症群では、自分の思うように表現できないことなどでのイライラや嫌悪感などです。自閉スペクトラム症では、自分が「わからない」という強い不安があります。注意欠如・多動症(ADHD)では、自分では「わかっている」のに自己制御不能やうまくできないことのもどかしさです。限局性学習症(学習障害、LD)では、自分では「なぜできないのだろう」などと混乱します。発達性協調運動症では、みんなができるように、体が動いてくれない不自由さの思いです。
以上のように、発達障害とは「何らかの精神発達のおくれをもち、それが生きにくさをもたらしている」と定義され、これが、脳の機能障害によるものとされています。次回に続きます。