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学校での精神発達④

吉田洋一

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テーマ:子どもたちへのエール

 次に、なぜ「非認知的能力」を学習するのかを別な観点から簡単に述べます。
 OECD(経済協力開発機構)によりますと、「非認知スキルの状態は、後の認知的スキルの状態を予測する」つまり、高い非認知的スキルを備えている人は、その後にも高い認知的スキルをもつという研究の発表がありました。ただし、その逆の「認知的スキルの状態が後の非認知的スキルを予測する」という関係は認められなかったということです。つまり、知識が豊富でもそれを社会や企業に還元することはなかったということです。
 最後に、そんなこと言ったって高校入試はどうなるの?と皆様方から疑問が起こることでしょう。実は高校も入試制度を2023年度から変える方向で各都道府県教育委員会が検討しています。検討の内容は、高校や学科、コースの特色が出る内容で実施する選抜方式「特色枠」を設定する、生徒独自の志願理由書の配分、特定の科目の配点を他の科目より高く(低く)する「傾斜配点」で選抜する、知識学力以外の非認知的能力の重視配点、特色枠試験は一般入試の前に行う、中学校長の推薦は不要など受験生に沿ったものです。また受験生が中学校時代までに習得した「非認知的能力」が十分に活かされる方向で検討されています。皆様の都道府県ではどのような特色にするのでしょうか。発表が待たれます。
 以上、「学校での精神発達」を3回説明しました。
 子どもの精神発達における「関係の発達」の重要度が、ついに学校の学習にも及んできました。
 言い方を変えますと、学校において、子どもの精神発達における「関係の発達」を最重点で学習することになります。
 つまり、子どもの成長にとてもデリケートな精神発達についても学校が担うということです。 
 子育てで日々の生活も大変ですが、親御さんは学校での精神発達についても正しくご理解いただきたいと思います。
 

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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