糖尿病とがんのますます危険な関係
糖尿病の診断が下ると、どこに行っても運動療法を勧められます。しなくてはいけないことは分かっていても、気乗りがしない日もできない日もあります。
そんな方のために効果的な作用を持った漢方があるのでご紹介します。
日本の著名な医師たちが、20年前に会が解散するまで研究していた漢方薬紅参(コウジン、独参湯)で、糖尿病の方に対して、このような7つの作用があります。
1.からだの血液細胞を使って血糖値を下げる
2.交感神経の興奮を鎮めて血糖値の上昇を抑える
3.膵臓の働きを助ける
4.血栓の予防と改善対策になる
5.糖尿病性腎症の予防と維持に
6.糖尿病性網膜症の維持改善
7.末梢神経障害の進行予防と症状改善に
この中で、1のからだの血液細胞を使って血糖値を下げる方法が、まずみなさんにご紹介したい方法です。
1紅参はからだの血液細胞を使って血糖値を下げる
みなさんのかわりに体の中の血液細胞に運動してもらって血糖値を下げる方法です。
みなさんの血管を流れる血液は赤い色をしています。この赤い色のもととなる赤血球を使う方法です。この方法を上手に使うと、少ない運動でも効果を上げやすく、漢方薬を使わなくても効果的に血糖値を下げることができるようになるので、ぜひ知ってください。
赤血球の形の特徴
赤血球の形の特徴は、真ん中を押しつぶしたような円形で、直径は平均約7μです。対して、この赤血球が循環する末梢の毛細血管の径は最大3ミクロン。したがって、心臓から拍出された血液が末梢組織を通過するときに、赤血球は下のイラストにあるようにそのからだを変形させ半分に折り曲げて砲丸型になって通過します。
赤血球の真ん中を押しつぶしたような形は、砲丸型に変形させるのに好都合で、からだを折り曲げては細い血管を通り抜けざまに酸素と二酸化酸素のガス交換を行っています。この自らの形を変える能力は赤血球変形能と呼ばれています。
赤血球は変形のエネルギー源として血糖を使う
赤血球の形状維持と砲丸型に変形するためにはエネルギーが必要で、このエネルギー源として血糖つまり血液中のブドウ糖を使っているので、この漢方「独参湯(紅参、コウジン)」を服用すると、血糖値が下がりやすくなるのです。
赤血球変形能が低下することがある
さまざまな理由で、赤血球変形能は低下します。
例えば、血液の酸性度(PH)や高血糖、温度(外気温、体温)、血液の浸透圧の変動などです。つまり、尿酸値が上がりやすい血液状態や、もちろん糖尿病の高血糖状態、寒冷の環境、血液中のアルブミン値が低い状態などでは赤血球変形能が低下して、血液循環が悪くなります。
漢方薬独参湯(成分:紅参、コウジン)の効果
医師たちによる研究によると、この漢方薬独参湯(成分:紅参、コウジン)を服用したところ、服用2~3時間後に120%も赤血球変形能が上昇したうえ、血中のブドウ糖を消費してできるエネルギー物質も上昇していました。体感としては、末梢循環が改善するので手足の先までポカポカとぬくもってきます。つまり、漢方薬独参湯(紅参、コウジン)を4.5g飲むだけで、末梢循環が改善していたのです。この時に、血糖値が下がります。当店店頭では、3gの紅参ドリンクでも30分~1時間後に血糖値が下がって来ていました。
循環改善に適する剤型
医師たちの研究では、紅参を散剤にして研究していましたが、効果を期待するときは液体タイプの方が改善はいいです。
例えば、煎じ漢方薬の独参湯(ドクジントウ)、エキス剤、エキス剤を使った丸薬、ドリンク剤タイプのものです。
日常生活での応用
漢方を飲まなくても、日常生活で応用できます。
血液成分の改善までの効果はないものの、血液循環が良くなるようなことをすればいいわけです。
毎日シャワーで済ましている方なら、湯船に湯を張ってぬるめでいいので芯からぬくもる。足湯をする。通勤時間を利用して、ゆっくり歩いていた通勤路を少し早歩きか小走りくらいのスピードにする。ポカポカしてきませんか?できない日は、独参湯(紅参、コウジン)をお飲みいただくといいですよ。
糖尿病患者にとって大変都合の良い作用を持つ紅参(コウジン)は、薬価収載されています。が、2000年ころを境に特に正官庄紅参は保険で使えなくなっています。医師たちがどれほどレポートをつけて出そうが、保険に通らず返されてしまっています。以後は、自費で服用する薬になっています。
【参考文献】
・慢性期脳卒中患者の赤血球変形能に対する紅参末の影響
国立循環器病センター 高野健太郎/尾前照雄ほか
・紅参の交感神経と副腎髄質カテコールアミンおよび高齢者の心機能に対する作用
岩手医科大学歯学部内科 高橋栄司ほか
・正官庄コウジン末の糖尿病患者の耐糖能に及ぼす臨床的研究
The GINSENG REVIEW 1986 NO.4 p27 矢野三郎
・薬用人参‘89/p96-107 糖尿病患者に対する有用性 加藤弘巳、矢野三郎