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笠原友子

栄養と漢方で糖尿病を健康に導くプロ

笠原友子(かさはらともこ) / 薬剤師

笠原健招堂薬局(有限会社笠原)

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コラム

自分の血液検査結果を確認して、砦の腎を守ろう!

2019年7月9日

テーマ:糖尿病 合併症

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

まちかど糖尿病指導薬剤師の笠原友子です。
薬局店頭で、患者が自分でできる肥満・糖尿病対策にとりくんでいます。

今回は、
老化の一歩を見つけ出すことのできる血液検査数値
クレアチニン値、eGFRなど

◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
 自分の血液検査結果を確認して、腎を守ろう!の巻
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇

昔からよく、精が弱い。とか、精が無い。と言う言い方をします。
この精と言うのは精力絶倫の話ではなく
腎精いわゆる腎の元気の事を言っています。
子供の頃は未発達で精が弱く、年を取ると衰えて精が弱り、
腎精の弱りと共に寿命を終えることになります。
そこで今回は、検査結果を見ながら腎を守るお話です。

漢方の世界では、
人の五臓六腑は病気になりやすく悪化しやすい季節があると言われていて
『腎』は冬に弱ります。腎はもともと寒冷に弱いです。
だからか、中国の人は冷たいものの飲食を控えます。

最近では、糖尿病性腎症で年間1万6千人もの方が
透析に至ると話題になっています。

ところが実は糖尿病にかかって透析にまでに至れる方は
ラッキーだという説があります。
透析に至るまでに、大血管障害(心筋梗塞・脳卒中・脳梗塞)で
倒れてしまうと言うのです。

腎機能が落ちるほどに、心血管病のリスクは8倍にまで上がります。

腎を守る生活は、糖尿病のあるなしにかかわらず
大血管障害の予防になり、かつ透析に至るまでの期間も延長します。

[[腎症が始まっていても、医師からは何も言われないままの患者を数多く見ます]]
腎症かどうかの判断(診断)をするのは医師ですが、
薬剤師にも生活習慣の指導は可能です。

今一度、自分の血液検査結果を見渡し
腎の状態を見てみましょう!
腎臓は自分で守るしかありません。

見ていただきたいところは、
血液検査結果の、クレアチニン値、eGFR値
尿検査結果の、蛋白尿


慢性腎臓病(CKD) の定義を簡単に言うと

(2002年~)
日本腎臓学会によると血液検査・尿検査結果の中の次の2項目の
いずれか又は両方が、3か月以上続くもの
①尿検査で蛋白尿
②血液検査でeGFRが60未満

重症度分類は、GFR6段階と尿蛋白3段階を合わせて18項目ありますが
これは専門医に任せることにして

ここでeGFRと言うのは
腎機能を表す数値です。
1分間に腎臓で作られる原尿の量を表していて
この内、1%が尿として排泄されます。

昔はクレアチニン値(Cr)で判断されていましたが
クレアチニン値はよほど腎機能が悪化してから
急激に上昇する性質があるので
初期から進行予防するにはeGFRが良いと言われます。

ところが処方箋を持ってくる患者で
このeGFR低下の指摘も、悪化を防ぐ生活面での注意も
受けて来る患者は居ません。

薬の中には、腎臓から排泄されるタイプのものもあって
腎臓の働きが低下すると薬が効き過ぎてしまいます。

検査結果を見て薬剤師が疑義照会をしても
薬の量を減らしてもらえることの方がまだ少ないのが現状です。

日本の成人人口の13%(1330万人)はCKD

腎臓は40歳をピークとして、
以後1年で4%ずつ低下し
45歳以降は1年で8%低下する

加齢とともに低下するのもeGFRの特徴
ピンピンコロリを目指すには、心がけも必要

自分で出来る進行予防7項目

検査結果でeGFRが低くなって来ても、
心がけ次第で、それ以上の低下を防ぐことができます。
以下、腎臓内科の専門医に教わってきた方法です。

1)血圧管理
  目標は130/80以下
  血圧が高いと腎に負担を掛けるし、腎が弱ると血圧は上がります

2)生活習慣の改善
 ①減塩
 ②食塩以外の栄養管理
  ・プロテインなどによるタンパクの取り過ぎに注意
  ・血清カリウム値(K) の高い方は、生野菜や果物を控える
 ③太り過ぎている方は、減量
 ④適度の運動
 ⑤節酒
 ⑥禁煙

いかがですか?
特別な養生法ではありませんね

透析を宣言されても開始を遅らせている漢方はあります

2000年にクローズした日本薬用人参研究会
医師たちの研究会でしたが、下部組織として薬剤師の会がありました。

毎年行われていた学術大会に
全国から限られた薬剤師が招かれて参加していました。

ここで毎年
透析を宣言された患者が、この漢方薬の服用で
透析開始までの期間を延長していると発表されていました。

実際当店の患者さまも、何年も遅らせて
その間に経営者としてのお仕事の整理をなさっておられました。

ぜひ、日頃の心掛けで、自分の腎臓を守ってくださいね。

この記事を書いたプロ

笠原友子

栄養と漢方で糖尿病を健康に導くプロ

笠原友子(笠原健招堂薬局(有限会社笠原))

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