今こそ読んでいただきたい本です。
子育て世代の健康を考えるまちかど糖尿病指導薬剤師の笠原友子です。
新型コロナの蔓延が始まって、必要に迫られて毎日体温を測り、低体温に気づいた方々が相談のお電話をくださいます。
ヒトのからだは、体温が1度下がっただけで、体内酵素の働きは50%、基礎代謝は12%、(木村公喜「 体温と健康づくりの関係」)免疫力は37%低下してしまいます。(安保徹「病気にならない生き方」)
低体温には男性であっても自覚がないのが現状のようです。
今回は、大人も子供も大切な体温の話。
体温は測る時間帯によってちがいます→測る時間を決めましょう
感染の無い正常な状態でも、体温は常に同じではなく変化しています。
日内リズムと呼ばれています。
たとえ眠らなくても、人の体温は明け方に最低、夕刻に最高となる約1℃の日内リズムがあります。これは人の活動に好都合な体温にするためと考えられていて、実際、夜行性の動物では逆に夜間の体温が高くなります。
わきの下で体温を測るのはなぜ?~皮膚の体温調節機能
皮膚は体を外の環境から隔離・保護し,体の水分を保ち、体温調節や細菌の侵入を防ぐなど生命維持に必要可欠な機能を担っています.皮膚のいちばん外側の角質層は,脱核した角質細胞が10~20層重なり,細胞の間を脂質で埋めることで、強い“物理的バリア”を築いています。
少しでも体の中の体温(深部体温)に近い体温を計測するために、この角質層が薄く、くぼんでいて外気の影響を受けにくいわきの下で測定することが多いです。
運動をすると体は温まるが、低体温は改善していない。
昨年発表された短期間の小さな実験に過ぎませんが、低体温の女子大生を対象に個別運動プログラムを組んで、低体温はされていました。
結果は、低体温に伴う肩こりなど各症状の緩和にはなったものの、低体温そのものは改善されていませんでした。
運動をすると筋肉を使うので代謝(熱産生)が増しますが、運動した時の体温上昇は一時的な体温調節のためのものだからです。
足浴は基礎代謝のわずかな上昇に役立ったようです。
それでも、少しずつでも筋肉運動はした方がいいと思いますよ!
食事の時に咀嚼を増やすと低体温の方の体温が上がっています
2012年に出版した「糖尿病は栄養を取れば健康に戻る」(経済界)でもご紹介した「かみかみ」。
一口食事を口にするたびに30回噛んで食べていただいていました。真面目に噛んだ方は、約2週間で36℃台に体温が上昇していたと報告を受けています。
十分な咀嚼によって、微量栄養素の吸収が改善され、エネルギー代謝に必要な栄養素が補われたと考えています。
低体温は、栄養バランスで考えると改善しやすいです
まずは朝食にたまご1個足すことから。
食品に含まれている必須アミノ酸が、その理想とされる量に比べてどれくらいの割合で入っているかを示したものが“アミノ酸スコア”
たまごのたんぱく質は、アミノ酸スコア100で、すべての必須アミノ酸が、必要とされる量を満たしている優秀な食品です。
その上、ビタミンや、カルシウム、鉄など、私たちの健康を維持するために必要な栄養素が豊富です。
低体温の方は、エネルギー源としてとった三大栄養素に対して、これを利用するためのビタミンやミネラルが足りていない可能性があります。
言い換えると、カロリー過多の栄養不足。
エネルギー源である三大栄養素に対して、見合うだけのビタミンとミネラルが摂れていれば、見合うだけのエネルギーが作られ体温は維持されます。
代謝を助けるビタミンやミネラルが足りなければ、せっかくとった三大栄養素もエネルギーに変えることができず、体温を作れません。
ビタミンやミネラルが足りないために低体温になっているのであれば、運動をしても、平熱の低体温の改善にはつながらないのは道理です。ビタミン・ミネラルを補ってあげなければいけません。
栄養素不足を起こす原因は3つあります
食事は太るほどとっているのに、なぜ栄養不足になるのか疑問がわきませんか?
栄養のバランスが崩れる理由は、大きく3つあります。
①そもそも十分に栄養が取れていない
②とった栄養が排泄されやすい状況にある
③栄養素の必要量が上がっている
①そもそも十分に栄養が取れていない。
日本食品標準成分表が現在2020年版(8訂)が昨年から検討されていますが、編纂されるたびに野菜のミネラル含有量に少しずつ変化があります。少なくなっているのです。
摂っているつもりがとれていないことがあるのです。
②とった栄養が排泄されやすい状況にある。
食品添加物や薬剤の成分は、ミネラルをくっつけやすい構造を持っているものが多いのです。
今や食品添加物なしで1日を過ごすのは困難な時代です。
摂ったつもりが、添加物や薬剤のせいで出して(排泄して)しまっているのです。
③栄養素の必要量が上がっている。
前回の東京オリンピックが開催されたころ、テレビや冷蔵庫はまだ貴重な家電でした。
20年前、まだネットの世界は始まったばかりでした。
今やネットなしでは日々の生活に困るほどの世界に様変わりし、世の中は30年前には考えられないほどスピード化が進んでいます。
このスピード化の進み具合は、今までのヒトの進化の歴史中で経験できなかった速さです。
周囲のスピード、思考のスピード、目を動かす速さ、各々がみな私たちのからだにとっては、より栄養素の必要量を上げているといえます。
足りない分を補うと低体温が改善しました
天然の栄養素補給剤を摂ったあと、約1時間で体温が上昇!しました。
本来十分な咀嚼によって十分に吸収されるようになるといいのですが、これを簡便化して、当店スタッフ全員で天然の栄養素補給剤を摂って体温測定をしてみたところ、摂取後約1時間で体温が上がっていました。
低体温のスタッフは約1℃上がっていたんですよ。
サプリメントで摂取しても,エネルギーを作り出すための栄養素が補われたと考えられます。