対話によって自発的な組織づくりを支援するプロ
二口寛
Mybestpro Interview
対話によって自発的な組織づくりを支援するプロ
二口寛
#chapter1
「活気のない我社を変えていきたいが、どうすればいいだろう?」「会社は成長してきたけれど組織づくりが追いつかない」「幹部を育てたいが、忙しくて時間がない」そういった悩みを抱える中小企業の経営者は多いでしょう。そんな時は、二口経営労務マネジメントオフィスの社会保険労務士、二口寛さんが力になってくれるはず。二口さんは対話を重視した実践的なリーダー育成プロジェクトを展開。会社の潜在的なパワーを引き出す組織づくり支援のプロです。
サラリーマン時代に十一年間、電子カルテシステム導入のプロジェクトに携わった二口さん。新人から年配までの数十人で構成するチームのリーダーを任され、苦悩する日々を送りました。
その経験がいまの仕事に生きていると言います。上手くいかないことの連続でしたが、やはり突破口は「対話」にあったと回想。「対話することでチームが変わり、仕事が加速する感覚を何度も味わいました。人間って面白いなと思いましたね」と語ります。
「例えば、『助かった』という言葉がプラスの効果を生むこともありました。話の中で、リーダーである私やチームが『助かったよ』と伝えると、部下は『自分が役立った』と実感してさらに仕事に精を出す。ちょっとしたひと言で人の心は動くのです」
現在は社労士として人事・労務管理を行う一方、人材育成・組織活性化を支援。会社という組織の細胞を活性化させる請負人として活躍していますが、「会社がずっと栄えるためには、労務のルールづくりと、『この会社にいて良かった』『この人がいてくれて良かった』と満足できる組織づくりの両輪が欠かせません」と強調しました。
#chapter2
二口さんが提供しているリーダー育成プロジェクトの特徴はどこにあるのでしょうか?それは、「対話を重視した実践型のプログラム」であるということです。
研修では、二口さんがファシリテーター(対話を促す人)としての役割を果たしながら、リーダーが実際に抱えているリアルな課題を発見し、それと向き合いながら、どう解決していくかを掘り下げます。
「話をしていると、例えば、サブリーダーの育成や部門間の連携、今後のサービス展開など棚上げになっている課題が浮き彫りになります。そういったことをリーダー自身が考えたり、リーダー同士で話し合うことによって新しい視点を持つことができる。お互い刺激し合って相乗効果も生み出すことが可能です」
さらに二口さんは、組織で仕事をする本質は「人間活動」にあると説き、「人間活動の五大要素」を教えてくれました。それは、人とは、
「話し合いをすると協働作業が加速する」
「頑張っている仲間を応援したいと思い、自分も頑張ろう!と刺激を受ける」
「組織・チームの中で『役割を果たしたい』『貢献したい』と思う」
「『どうすれば良い?』と問われると答えを探そうとする」
「自分たちで決めたことは、自分たちで行動しようとする」
という内容。これをインプットするだけで、「顧客も、社員も、経営者もハッピーになっていきます」と二口さん。その五つの要素は、企業にかぎらず、あらゆる人間関係に当てはまる真理だと言えるでしょう。
#chapter3
二口さんが担当した企業の経営者からは、「社員が自分で考えて行動するようになった」「会社のビジョン実現に向けて一体感が高まってきた」といった喜びの声が続々届いています。
ある企業では、月一回のリーダーミーティングを重ねたところ、社長も驚くような変化が現れました。部下との関係が苦手だったリーダーがコミュニケーションできるようになり、チームを巻き込んで新しいアイデアを引き出すまでになったのだとか。「『おかげでうちの会社が変わってきた』と言われる瞬間が仕事冥利につきますね」と笑顔を見せます。
「中小企業の経営者は仕事に追われて、なかなか立ち止まることができません。ですから私が“社長の一時停止時間”を作り一緒に考えてもらう。そこで見えてきたビジョンや考えをリーダーに伝え、再び対話する。そうすることで会社の推進力が生まれる…そんな過程が非常に大切なのです」
今後は、「人間活動」をさらに浸透させ、考えに賛同する同志も育てていきたいと意気込む二口さん。「私は、対話するだけであらゆる問題が解決していくと確信しています。組織の人と人が対話できるよう促しながら、企業を元気にしていきたいですね」と真剣な表情。二口さんの活動は、単なる組織のコンサルティングやマネジメントといった領域に留まらず、人間力を磨いていく―。そう痛感して取材を終えました。
(取材年月:2017年9月)
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Profile
対話によって自発的な組織づくりを支援するプロ
二口寛プロ
社会保険労務士
二口経営労務マネジメントオフィス
会社員時代に十一年間、電子カルテシステム導入のプロジェクトリーダーを務め、苦悩しながらチームを率いた実体験が強み。理論だけでなく、自ら経験した組織活性化のノウハウを生かしてリーダー育成を支援している。
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