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梅原郁夫

日本の伝統の技と現代の科学を融合させる建築士

梅原郁夫(うめはらいくお) / 一級建築士

梅原材木店

コラム

鉄骨ALC造り建物の雨漏り(1)

2013年11月6日 公開 / 2014年7月17日更新

コラムカテゴリ:住宅・建物

鉄骨ALC造り建物の雨漏り(1)

ALCというのは、気泡コンクリート製品のことです。
この製品にはパネルとブロックがあり、建物の内外壁、屋根、床などに使用されています。
軽量で断熱性、耐火性に優れているのが長所ですが、防水性、防湿性に難点があるという短所があります。

さて、最近、このALC造りの建物のオーナー様から雨漏りについての改修依頼が来るようになりました。
原因の一つは、先の東日本大震災の地震によるものが多いようです。
地震により外壁のALC板が割れ亀裂が入り、そこから雨水が内部に浸透してくるという事例です。
先にも書きましたが、ALCは防水性に難点があります。
外壁塗装で水分の浸透を防いでいても亀裂が入ってしまうと全くの無防備になります。
気泡コンクリートなので、わずかな水分は吸収され、またその後、うまく乾燥してくれれば、内部に雨水が染み出てくるということはないでしょうが、先月、頻繁に上陸した台風のように度重なる暴風雨に晒されると、あっという間に内部に染み出てきて収拾がつかなくなります。





この補修ですが、想像以上に手間と費用がかかります。
割れているところに何かを充填して埋めれば済むという簡単な話ではありません。
亀裂は、時には、どんどん進み被害が大きくなる傾向にあります。(度重なる余震とか)
ALC外壁パネルの交換となると、かなり高額な費用がかかります。

というわけで、建物を新築する場合・・・・
木造で外壁にALCを使用するというのは、最近では殆ど見かけなくなりましたので、木造建築では気にしなくても良いと思いますが、鉄骨の場合は、コストが安いという点からALCを使用することが多いので要注意です。
必ず外壁の仕様を確認した方がいいでしょう。
立地条件等を考慮してALCを使用するかどうかを判断しないと、コストだけで判断すると後々苦労することになるのではないかと思います。

コストの面でALCを使用したのでしょうが、雨漏りの補修が思うようにいかず、ニッチモサッチモいかないでいるお客様が多く見受けられます。

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