「歯科用CTで安全にインプラント」の落とし穴<インプラント・口腔外科/茨城県 つくば・土浦>
皆様はインプラントと差し歯の違いはご存じですか?虫歯や歯周病、交通事故などの外傷により歯がなくなってしまった部位に人工の歯根を入れて、見た目や機能を回復する治療法を「デンタルインプラント」と言います。通常は単に「インプラント」と呼ばれます。いまさらですが、歯を失った場合の選択肢としては、
1)入れ歯(床義歯)
2)ブリッジ
3)インプラント
の3つの方法が考えられます。入れ歯は硬いものが噛めないこと、見た目や着け心地の悪さから敬遠する方が多く、正直なところ患者さんからは人気がありません。
3年間で421件のインプラント事故・・・これって多いの?
一方で以前にあったネガティブ報道や治療の危険性を訴えるクチコミなどのせいなのか、「安全なブリッジにしよう」という患者さんも一定数おられます。イメージ的にも手術が必要なインプラントに比べれば、歯を削るだけで済むブリッジは安全に思えるかもしれません・・・。しかし、ブリッジは本当に安全なのでしょうか?
1.ブリッジのデメリットは負担過重と不潔になりやすいこと
1)健康な歯を2本、向きを揃えて削らなければならない。>>削る量も多く、耐久性が低下する
2)固定された支台歯(支えになっている歯)には無理な力や負担がかかる
3)不潔になりやすく、歯周病が進行してしまうことが多い。>>ブリッジは寿命が短い
ブリッジを固定するには、最低でも2本の歯を削らなければなりません。歯が無くなった部分の両隣、隣接する2本の歯は、たとえ健康な歯でも方向を揃えて削る必要があります。2本の歯の向きが平行になっていないとブリッジがはまらないため、片方の歯に合わせる感じで、かなり歯を削らなければならない場合もあります。
また、支えになった歯は、無くなった歯が負担していた咬む力も負担することになるので、咬む時により大きな負荷が加わるようになります。
さらに設計上の問題として、歯の間の部分が清掃しにくく不潔になりやすいため、ブリッジの周囲から歯周病が進行していくケースが日常的に見られます。これらの結果として、歯の寿命を短くしてしまうことが多く見受けられ、長期的な予後は極めて悪いと言わざるをえません。すでにブリッジが装着されている患者さんは、よほど気合いを入れて歯間ブラシなども使って几帳面に清掃されることをお勧めいたします。
2.患者さんとの長いお付き合いを考える臨床歯科医の本音
毎日診療していて思うのは、「安易にブリッジを勧められない」ということです。
正直なところ、「健康な歯を削る」という点に私は歯科医師として心の抵抗があります。
インプラントに比べて費用が安く、健康保険も適応されるからか、ブリッジの危険性を全く説明せずに、どんどん歯を削る歯科医師で巷はあふれています。簡単な話、日本の健康保険の制度では、どんどん歯を削って治せば儲かるシステムになっており、しかもブリッジは入れ歯よりもオイシイ治療なのです…入れ歯より患者さんに喜ばれますしね。
ただし、入れ歯、ブリッジ、インプラントの三者を耐久年数で比較した場合、経験上、一番長持ちしないのはブリッジでしょうね。実際、ほとんど毎日のように、他の歯科医院でブリッジを入れた患者さんが不具合をきたしてお見えになります。インプラントがダメになって来院される患者さんは1年に1人もいないのが現状です。
もちろんインプラントにもメリット、デメリットがありますし、インプラントは高価な治療なので、経済的にインプラントが難しい方に強くは勧められませんが、結果としてブリッジがダメになると2本の歯を失うことになります。これは噛み合わせにも大きな影響が出てきます。
よく「インプラントを勧める歯医者は悪い歯医者」、「儲け主義だ!」なんて思っておられる方もいるようですが、そんなに単純な話ではありません。良心的な歯科医師ならば治療した方の長期的な予後を当然考えますから、将来性を考えればインプラントをお勧めする理由も理解していただけるのではないかと思います。
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