別の歯科医師の意見を聞く=セカンドオピニオンを誤解していませんか?

飯田裕

飯田裕

テーマ:歯科診療全般・歯科医師の本音・診療雑感

1.セカンドオピニオンは勝手に医者を変えることではありません

 患者さんにとって最善だと思える治療法を、患者と主治医との間で判断するために別の医師の意見を仰ぐこと、それが「セカンドオピニオン」です。



 近頃はこの言葉も徐々に浸透してきましたが、セカンドオピニオンと医師を変えることを同義に考えていらっしゃる方も多いのが現状です。自己判断による思い込み等により、ご自分が希望される「検査をしてくれない…」、「薬を処方してくれない…」などにより、病院や医師を簡単に変えることは「ドクターショッピング」といいます。始めから医師を変えたいという意思がある場合は、「転院・転医」と言います。


 セカンドオピニオンを受けたのち、結果的に別の医師が提供する治療を受けるために医師を変えることはあります。正しくはセカンドオピニオンとは、今かかっている医師(主治医)以外の医師に求める第2の意見なのです。歯科においては口腔がんなどの治療方針の決定や、インプラント治療などの高額な治療などに関しては、万全を期して複数の医師の意見を聞いてから、慎重に意思決定していただきたいと思います。


2.セカンドオピニオンのススメ


 この考え方が広がってきた背景には、従来の医師お任せ医療ではなく、インフォームド・コンセント(説明と同意)を受け、インフォームドチョイス=自分も治療の決定に関わる医療に変わってきたという社会的背景があります。主治医との関係を気にしたり、「先生が忙しそうでセカンドオピニオンを言いだせない」という方も多いのですが、基本的には心配する必要はありません。なぜなら「主治医と共に治療を選択する」ことがセカンドオピニオンの前提だからです。



今どきの歯科におけるインフォームドコンセント↓
歯科におけるインフォームドコンセントと2025年問題を考える

 しかし、現実的な問題として、プライドが高く高圧的な態度で相談しにくい医師もいるのも事実です。また、セカンドオピニオンを取得したいと申し出た患者さんに対して、「もう来なくていいよ」といった態度で、転院や転医を薦める場合がありますので、そこは担当医とのこれまでの関係性や性格を見極める必要があります。言い方を変えれば「そうした医師と共に今後の治療を続けていけるのか?」を含めて吟味する必要があります。医師には分野により必ず得手不得手があります。先生方も人間ですので色々な性格の方がいらっしゃいますが、本来は患者さんの利益になる制度ですので、上手に利用していただきたいと思います。

セカンドオピニオンの実際、転院すると・・・↓
セカンドオピニオン??治療途中で歯医者を変えるのは・・

つくば・土浦の歯科・口腔外科/インプラント治療の専門医
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飯田裕
専門家

飯田裕(歯科医)

つくばオーラルケアクリニック

東京医大病院、東京共済病院などで口腔外科診療や手術を担当。放射線科でCTの画像診断、麻酔科で全身麻酔の研修を修了。この経験を生かしてインプラントの的確な事前診断、手術を実践。

飯田裕プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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