相続登記が終わっても安心できない 「所有者自身が理解できていない土地」が静かに増えています(相続後の土地トラブル・境界確認)

疋田敬之

疋田敬之

テーマ:土地 建物 測量 相続

2026年10月の登記受付帳簡素化により、相続不動産を取り巻く環境が変わりつつあります。
これまで一部の不動産業者は、登記受付帳を手がかりに相続直後の土地情報を把握し、所有者へ早期にアプローチしていました。
しかし制度改正後は、こうした情報取得が難しくなります。

これは単なる営業手法の変化ではなく、

所有者自身が、自分の土地の状態を把握しないまま時間が過ぎやすくなる

という構造的な変化を生みます。

名義変更だけでは土地問題は解決しません。
相続登記が完了すると、多くの方は「これで手続きは終わった」と考えます。
しかし現場では、次のような状態が残っている場合があります。

境界が現地で確認できない

古い地積測量図と現況が一致していない

隣地との越境が存在する

接道条件に問題がある

農地規制が残っている

面積を誰も確認していない

つまり、

登記簿上は整理されていても、現地の土地状況は整理されていない

というケースが少なくありません。

古い図面をそのまま信じることの危険性
地積測量図や公図は重要な資料ですが、
それだけで境界の位置を判断できるわけではありません。

現地では、

境界標が失われている

擁壁や塀の位置が変わっている

長年の利用で占有状態が変化している

図面作成当時と現況が異なる

といった状況が見られる場合があります。

図面だけ、現地だけでは境界は判断できません
境界の位置は、
図面・境界標・構造物・利用状況・分筆の経緯などを照らし合わせながら、
矛盾がない位置を確認していく作業です。

どれか一つを絶対視するのではなく、
複数の資料や痕跡を比較し、
整合する位置を丁寧に探ることが重要です。

国家座標は「境界を決めるため」ではなく「将来のため」
近年は、境界の位置を将来に向けて再現可能にするため、
国家座標(公共座標)を併用して位置情報を記録することが有効となっています。

上図は、現地で取得した境界点の配置と国家座標の位置関係を示したものです。図面と現況の整合性を確認する際の基礎資料となります。
上図は、現地で取得した境界点の配置と国家座標の位置関係を示したものです。図面と現況の整合性を確認する際の基礎資料となります。

境界標が失われても

現地の構造物が変わっても

所有者が代替わりしても

同じ位置を再現できるようにするための基準として機能します。

境界を整理したうえで国家座標を付与しておくことで、
将来の売却・相続・建築の際に位置の再現性が確保され、
余計なトラブルを避けやすくなります。

「売る時に考える」では間に合わない場合があります
土地の問題は普段は表面化しませんが、
次のタイミングで一気に顕在化することがあります。

売却

建築

相続

太陽光利用

開発

最近は、

境界未確認で契約が進まない

越境が後から判明した

隣地所有者との調整が難航した

といった相談が増えています。

問題が発覚してから対応すると、
時間・費用・関係調整の負担が大きくなる場合があります。

土地は「所有しているだけ」では守れません
名義整理が進んでも、
所有者自身が土地の実態を理解していなければ、将来の負担は残ります。

境界・利用状況・接道・越境・現況。
これらを確認し、必要に応じて国家座標で位置を記録しておくことで、
将来の取引や相続の選択肢が大きく変わります。

「どこに相談すればいいかわからない」という問題(相談先の不明確さ)
多くの所有者が次のような状態にあります。

何を確認すればよいかわからない

古い図面の見方がわからない

境界標の意味がわからない

どこまでが自分の土地かわからない

誰に相談すべきかわからない

そのまま放置され、問題が表面化してから動き出すケースも少なくありません。

しかし境界や現況の問題は、
早い段階で整理しておくことで、
将来の負担を減らせる場合があります。

土地家屋調査士は「土地の現況と権利関係」を整理する専門家です
土地家屋調査士は、
現地構造物・境界標・利用状況・古い図面・登記記録を総合的に確認し、

現況と資料が一致しているか

将来問題化する要素がないか

境界確認が必要か

売却や建築時に支障が出ないか

を整理する専門職です。

近年は、
GNSS測量・国家座標・3D点群などの技術を活用し、
境界の位置を将来に向けて再現可能な形で記録することも重要になっています。

茨城県内の土地・相続不動産のご相談

土地家屋調査士疋田敬之事務所(茨城県・水戸市) では、

相続後の土地状況確認

境界確認

古い測量図と現況の照合

越境・接道状況の確認

土地利用前の現況整理

売却前の境界・現況確認

国家座標による位置情報の記録

など、所有者側の立場から土地の状況整理を行っています。

長年の現場経験に加え、
GNSS測量・3D点群などの技術を活用し、
図面だけではなく 現地実態と将来の再現性を踏まえた土地状況の把握 を重視しています。

土地は、問題が起きてからではなく、
問題が表面化する前に確認することで守れる場合があります。

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疋田敬之
専門家

疋田敬之(土地家屋調査士)

土地家屋調査士 疋田敬之事務所

衛星及び電子基準点を使用したネットワーク型RTK-GNSS測量で引照点観測をした世界座標による地積測量図を作成することにより何世代を経過しても安心して境界杭を維持管理できるデータを提供します

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