【終活で最初に考えておきたいこと】 不動産の境界確認と、必要に応じた3Dデータのデジタル保管について

疋田敬之

疋田敬之

テーマ:土地 建物 測量 相続

終活のご相談では、
「家や土地をどうすればよいか分からない」
というお声を多くいただきます。

不動産は、相続の場面で最もトラブルが起きやすい資産です。
その理由の一つが “境界が不明確なまま残されている” ことにあります。

■ なぜ終活で「境界確認」が重要なのか
境界が曖昧な土地を相続すると、
相続人は次のような問題に直面します。

売却が進まない

隣地との調整が必要になる

越境物の有無が分からない

将来の管理が難しくなる

これらは、生前に境界を確認しておくことで大きく軽減できます。

境界は“見た目”では判断できず、
資料確認と現地調査が必要です。

■ 必要に応じて「3Dデータ」で現況を残すという選択肢
境界確認に合わせて、
現況を3Dデータとして残しておく方法 があります。

境界杭の位置

越境物の有無

地形の起伏

工作物の配置

これらを、将来にわたって確認できる形で保管できます。

■ 観測環境による可否
(LiDAR‑SLAM と GNSS 標定点の特性に基づく説明)

3D測量に用いる LiDAR‑SLAM は、
レーザーが届く範囲で現況を取得するため、
空の抜け(衛星の見え方)には影響を受けません。

しかし、
データの位置合わせに使用する GNSS の標定点・検証点は、
樹木や建物による遮蔽など、上空環境の影響を受けます。

そのため、

レーザーが届く範囲(LiDAR‑SLAM)

GNSS が安定して受信できる範囲(標定点・検証点)

この 両方の条件 により、
観測可能な範囲や精度が左右されます。

事前の現地確認が必要です。

■ 観測できた範囲は「デジタルツイン」として保管
観測できた範囲については、
専用ビューワーで確認できる3Dデータとしてデジタル保管が可能です。

将来の“デジタルツイン”として、現況をそのまま残すことができます。

以下は実際の点群データの例です。
境界杭や工作物の位置関係を立体的に確認できます。





■ 終活で不動産を整理する際のポイント
境界の確認(資料・現地)

必要に応じた測量の検討

現況を残すための3Dデータ保管

相続人が後から確認できる状態にしておく

これらを整えておくことで、
相続人の負担は大きく軽減されます。

■ まとめ
終活において、不動産の整理は避けて通れません。
その中でも 境界の確認 は、
将来のトラブルを防ぐための最も重要な準備の一つです。

さらに、
観測できる範囲で3Dデータをデジタル保管する
ことで、現況を将来にわたって確認できる形で残すことができます。

これは、
「子どもに迷惑をかけたくない」
という終活の想いに応える、
非常に有効な方法です。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

疋田敬之
専門家

疋田敬之(土地家屋調査士)

土地家屋調査士 疋田敬之事務所

衛星及び電子基準点を使用したネットワーク型RTK-GNSS測量で引照点観測をした世界座標による地積測量図を作成することにより何世代を経過しても安心して境界杭を維持管理できるデータを提供します

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

境界確定測量・土地分筆登記・建物表題登記の専門家

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ茨城
  3. 茨城の法律関連
  4. 茨城の不動産・登記
  5. 疋田敬之
  6. コラム一覧
  7. 【終活で最初に考えておきたいこと】 不動産の境界確認と、必要に応じた3Dデータのデジタル保管について

疋田敬之プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼