実家の相続・売却で大問題になる「土地の境界」。なぜ今、測量して境界を確認しておくべきなのか?

疋田敬之

疋田敬之

テーマ:土地 建物 測量 相続

いつも大変お世話になっております。水戸市の土地家屋調査士、疋田敬之(ひきたたかし)です。

親御さんが高齢になり、実家の「相続」や「将来の売却・処分」について考え始める方が増えています。インターネットで手続きについて調べると、税金や相続登記に関する情報が多く目につきますが、実は現場で最も多くの人がつまずき、後悔している盲点があります。

それが、「隣の土地との境界線(境界杭)がハッキリしていない」という問題です。

「うちは昔からお隣と仲良くやっているから大丈夫」「必要になってから、売る時に測ればいい」と考えて後回しにしていると、いざという時に大切な土地が売れず、子供世代が途方に暮れることになります。なぜ今、関係者が元気なうちに「境界確定」をしておくべきなのか、その理由を分かりやすく解説します。

1. 境界が曖昧な土地は、相続しても「売れない」「一歩も進まない」

親が亡くなり、実家を相続したお子さんが「誰も住まないから売却して納税資金に充てよう」「現金化して兄弟で分けよう」としたとき、不動産売買の現場で大きな壁が立ちはだかります。

現在の不動産取引では、買い手を守るために、また後々のトラブルを防止するために、「お隣と合意の上で境界杭がすべて打たれており、正しい図面があること(境界確定)」が原則として必須条件です。

境界が分からない土地は、隣人トラブルのリスクが高すぎるため、不動産会社も買い手もなかなか手を出せません。結果として、売りたくても売れず、活用もできず、固定資産税の負担だけが引き継いだお子さんの肩に重くのしかかる「負動産」になってしまうのです。

2. 「後回し」にすると、手続きのハードルが数倍に跳ね上がる3つのリスク

「その時が来たら測量を頼めばいい」が通用しないのは、土地の境界確定にはお隣さんの「立ち会い」と「合意」という、相手の協力が絶対に不可欠だからです。時間が経てば経つほど、以下のような事態が日常茶飯事のように起こります。

リスク①:お隣さんが高齢で認知症になってしまった
正式な意思能力がないとみなされると、法的な立ち会いができず、成年後見人の選任が必要になるなど、手続きが年単位でストップします。

リスク②:お隣さんが土地を売り、知らない人が引っ越してきた
昔からの「お互い様」の人間関係や、当時のいきさつが通用せず、境界の話し合いが難航しやすくなります。

リスク③:お隣さんが亡くなり、面識のない子供たちが相続した
お隣が複数人の共有名義で相続された場合、全員から連絡を取り付けてハンコをもらうだけでも、膨大な時間とコストがかかります。

年月が経てば経つほど、関係者の環境が変わり、境界を確定させるハードルは文字通り「何倍にも跳ね上がる」のが実務のリアルです。

3. 親の世代だからこそできる、子供への「最高の遺産」

あなたが元気で、お隣さんも昔なじみの今のうちは問題なくても、その「昔の記憶」や「あうんの呼吸」は、土地を引き継いだお子さん世代には引き継がれません。お隣の代も代わってしまえば、昔の境界の経緯を知る人は誰もいなくなってしまいます。

お互いの記憶がしっかりしている今のうちに土地を正しく測量し、お隣さんと納得して「境界確定」をしておくこと。

それは単に杭を打つ作業ではなく、「自分の代で、土地のトラブルの種を完全に摘み取っておく」ということです。「いつでもすぐに処分・売却できる、何の憂いもない綺麗な土地」にして残してあげることこそが、次の世代への何よりの思いやりであり、最高の遺産ではないでしょうか。

4. 【最新技術】土地を丸ごとデジタル化して「目に見える安心」を記録する

「境界を確定させると言っても、古い図面しかなくてピンとこない」という方も多いかもしれません。

そこで当事務所では、現地の環境には依存しますが、最新の「3D LiDAR SLAM(移動式3Dレーザースキャナー)」を用いた最先端の測量技術を導入しています。

▲ 当事務所による3D点群レーザースキャンデータ(デジタルツイン)の実際の画面
お隣との古い土留めや生垣、道路、水路、敷地の高低差にいたるまで、立体的なデジタルデータ(点群データ)として丸ごと記録。目視や従来の測量では見落としがちだった現況を保存します。

このように、土地の境界を地球上の絶対的な位置として記録する「世界測地系データ」と、現況を立体的に残す「3Dデータ」を掛け合わせることで、将来お隣の代が変わったり、万が一の災害で地形が変わったりしても、「いつでも元の正しい位置に境界杭を復元できる状態」を作り出します。これこそが、次の世代に贈る最高の「土地のインフラ整備」です。
まとめ:関係者が健在な「今」だからこそ、円満に解決できます

相続が始まってから、悲しみの中で慣れない役所手続きをし、さらにお隣さんと境界の確認をする……これは遺されたお子さんにとって、想像以上の精神的・金銭的負担になります。

「うちの土地、境界の図面や杭ってどうなっていただろう?」
「昔の古い図面しかなくて、今の基準に合っているか不安だな」

そう少しでも不安に思われたら、手遅れになる前に一度ご相談ください。
水戸市の当事務所では、この高精度な3D測量技術と誠実なサポートで、大切なお客様の資産を未来へ確実につなぐお手伝いをいたします。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

疋田敬之
専門家

疋田敬之(土地家屋調査士)

土地家屋調査士 疋田敬之事務所

衛星及び電子基準点を使用したネットワーク型RTK-GNSS測量で引照点観測をした世界座標による地積測量図を作成することにより何世代を経過しても安心して境界杭を維持管理できるデータを提供します

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

境界確定測量・土地分筆登記・建物表題登記の専門家

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ茨城
  3. 茨城の法律関連
  4. 茨城の不動産・登記
  5. 疋田敬之
  6. コラム一覧
  7. 実家の相続・売却で大問題になる「土地の境界」。なぜ今、測量して境界を確認しておくべきなのか?

疋田敬之プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼