実家の土地を守るために──世界測地系2024と“未来に残る測量”の話


土地家屋調査士として開業24年
今、私が取り組んでいるのは、過去の不完全な図面を、現代の「揺るぎない証拠」へとアップデートすることです。
1. 浮いている土地、国家座標のない境界
まず、こちらの最初の2枚の図面をご覧ください。
これらはかつて主流だった「三斜法」や「任意座標」による図面です。一見、精密に見えますが、地球上の「絶対的な位置(国家座標)」と紐付いていない、いわば「根無し草」の状態です。
法務局も、1枚目の図面は「杭がなくなった時に元の位置を再現する根拠(現地復元性)がない」見方を示しています。方位も磁針頼りの「だいたい北」。これでは、将来の境界紛争を防ぐ盾にはなり得ません。
2枚目も現地復元性ありという理解ですが、あくまでも任意座標を基準としていますので、例えば北は8度21分22秒程度ズレていました。これは現地で磁北と言って概ねの北を見るところからスタートしていますので、座標の北を示していません。また引照点も本来の精度の高い復元に利用できるかどうかは不明です。
2. GNSS(衛星測量)という、揺るぎない「アンカー」
私が現在、測量の最重要基盤としているのが、**GNSS(人工衛星を用いた測量)**です。
宇宙にある複数の衛星からの電波を捉え、地球上の絶対位置を特定します。
かつての測量が「現場の中だけの閉じたルール」だったのに対し、GNSS測量は「世界共通の物差し(国家座標)」に土地を固定します。これにより、たとえ震災で地形が変わっても、道路工事で杭がなくなっても、公共基準点や電子基準点から「その地点」を客観的・合理的な根拠をもって導き出すことが可能になります。
3. デジタルツイン:現場を「証拠」として丸ごと記録

3枚目と4枚目の図です
このGNSSによる確かな位置情報を土台に、最新の**3D LiDAR SLAM(SLAM100)**を組み合わせています。レーザーで周囲の景色をまるごと点群データ(デジタルツイン)として記録しますが、このデータも、GNSSによる「正しい位置と向き」が与えられて初めて、再現可能な「証拠」としての価値を持ちます。
当事務所導入LidarSLUM当事務所導入LidarSLUM
当事務所導入3Dソフト当事務所導入3次元点群処理ソフト
※なお、SLAMによるデジタルツインは、植生や周囲の環境によってデータ取得の良否が左右される側面があります。 どんな環境でも過信せず、確実なデータを得るための見極めが重要です。
最後に:地積更正登記は「資産の発掘」
不確かな図面を整理し、正確な座標に基づいて地積更正登記を行うことは、単なる手続きではありません。
霧の中に隠れていたあなたの土地の真の姿を「発掘」し、地球上の正しい位置に固定する。いわば**「資産の再定義」**です。
曖昧な測量が原因で、後世にまで続く紛争が起きる悲劇を、私は何度も見てきました。
二度とあのような思いを誰にもさせないために。GNSSによる確かな根拠と、24年の現場経験に裏打ちされた「眼」で、あなたの大切な財産を次世代へ繋いでいきます。
土地家屋調査士 疋田敬之事務所(マイベストプロ茨城 掲載)
各種GNSS測量と最新デジタル技術で、地域の地籍に「永遠の安心」を刻みます。
「大切な財産を、最良の状態で次世代へ繋ぐために。」
土地の境界を正し、国家座標という確固たる根拠を与えることは、家を支える大切な財産を、何の憂いもない「純粋な資産」へと整える作業です。
「将来の家族に、迷いと争いを残さないという選択。」
境界紛争の多くは、記録の不確かさから生まれます。今のうちに、最新技術による「動かぬ証拠」を備えておくことは、未来のご家族への何よりの贈り物になるはずです。
※掲載の図面は、内容を説明するために所在・地番等の個人情報を加工・消去した実例サンプルです。


