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お灸の起源を辿っていくと、古代中国まで遡ります。紀元前3000年頃、医学の基礎となる『黄帝内経』という書物が作られ、その中でお灸の効果が紹介されていることが分かっています。
身体にあるツボに熱をあてることで、自然治癒力を高めるとされているお灸。当初はなんと、熱した石を体にあてるという方法が行われていたとか。その後、燃やした薬草を使う方法が生まれたとされています。またお灸には『陰陽五行説』に基づく考え方があり、身体のバランスを整えることが重要視されています。
陰陽五行説とは、中国の古代哲学である道家思想や陰陽道に基づく考え方。
宇宙の全てのものを五つの要素に分類する理論です。
五つの要素とは「木、火、土、金、水」で、それぞれに「陰」「陽」の属性があります。「陰」は静的で受け身な性質を持ち、「陽」は動的で積極的な性質を持ちます。また五つの要素は相互に影響し合い、生み出し、制御し合う関係にあるとされています。
この理論は宇宙の摂理を理解するための基礎理論とされ、医学においては身体の部位や病気の性質を五行に分類し、身体のバランスを整える治療法が行われてきました。ちなみに医学以外でも、占いや風水などの分野でこの理論は応用されています。
長い歴史をもつお灸は、やがて中国から日本に伝わり、古くから行われてきました。平安時代の頃には医学の発展にともなってお灸の効果が研究され、日本独自のお灸の種類や方法が発展しました。このようにお灸は現在に至るまで広く愛用され、全国的に普及しています。
お灸を健康維持に取り入れることのメリットとしては、自己治癒力が促進されること。
お灸を行うときは主に足の裏、手の甲、背中、腰、首などのツボを刺激することが多いですが、これら身体の経絡やツボに刺激を与えると自己治癒力が促進されるのです。
定期的にお灸を行えば、身体のバランスが整えられて免疫力が高くなり、病気になりにくい体質を作ることができると言えるでしょう。
お灸をすると筋肉や関節が温まり、血行が促進されて免疫力が高まります。またお灸によって神経伝達物質の分泌が促進されることで、痛みを感じにくくする作用もあります。
そのほか交感神経と副交感神経のバランスを整え、ストレスや不眠などの症状を緩和することができたり、身体の代謝が促進されて疲労物質が排出され、疲労回復しやすくなります。そのため定期的にお灸を行うと、身体のバランスが整えられて生活習慣病やストレスなどの症状を予防することができるのです。
東洋医学における代表的な治療法の一つであり、約2000年以上の歴史があるお灸。
現代人の健康維持においても、お灸は非常に効果的な治療法の一つだと考えられます。
ストレス社会と言われる現代。ストレスや過労などが原因で自律神経のバランスが崩れると、身体に不調が現れます。そこでお灸を行うと、交感神経と副交感神経のバランスが整えられて自律神経を調整することができ、ストレスによる様々な症状を緩和することができます。また血行を促進してくれるので、リラックス効果やストレス不眠を解消する効果が期待できます。
お灸は、中国や日本などで伝承され、古くから親しまれてきた民間療法の一つ。体験したことのない人に向けて、お灸の効果と魅力を以下にまとめてみました。
①身体を温める効果
お灸により、身体を温めることができます。 身体が温まると血行やリンパの流れが促進され、代謝も活発化します。生理痛や冷え性、肩こり、腰痛などは、お灸によって改善が期待できるでしょう。
②ストレス解消効果
お灸はストレス解消にも効果的です。落ち着いた空間での施術で、心身ともにリラックスできるはずです。
③自然治癒力を高める効果
お灸は、薬や手術などの医療行為とは異なります。自然な方法で身体の治癒力を高められるのが大きな特徴。皮膚炎や花粉症、喘息などのアレルギー疾患にも効果があるとされています。
④簡単にトライできる
お灸のセットを用意すれば、自宅で手軽に挑戦できるところは魅力的。足湯と組み合わせて行えば、より効果を高めることができます。自宅で行うのが不安な方や初心者は、まずはお灸治療の施術者に相談してみることをお勧めします。
自然な方法で身体を整え、健康的な状態を維持することができるお灸。その魅力を少しでも感じていただけたのではないでしょうか。
全身に約361個あると言われているツボ。このツボをお灸で刺激することで、身体の様々な不調を改善することができます。ただし専門知識を持たない人が適切なツボを選ぶのは困難なので、お灸を行う際には自己判断は避けて専門の施術者に相談し、安全かつ効果的な方法で行うよう注意しましょう。
ストレス社会に生きる現代人こそ、昔から支持されてきた治療法を上手に取り入れて、健康的に過ごしたいですね。